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★ 今日は午前中からクライアントと打合せがあったので、朝飯を済ませると車に乗り込んでエンジンをかけた。
が、車はうんともすんとも言わない。
何度キーを回しても沈黙している。
ヤバい。
長らくKLにいなかったので車のバッテリーが上がっちゃったんだ。
仕方がない、タクシーで行こう!と「MyTeksi」アプリを立ち上げて近くのタクシーを探す。
しかし何度トライしても見つからない。
チップをRM5上乗せしても誰も応答しない。
チップをRM10にレイズしてもガン無視だ。
ヤバい。
それじゃあこれはどうだ、と藁にも縋る思いで「Grab Car」アプリを起動。
するとどうだ、すぐに
「オイラが迎えに行くよー」
って感じでドライバー、AZRIK BIN ROSLEさんから応答が帰ってきた。
やった。
Grab Carえらい!
2分で自宅まで到着すると表示されているので、門の外まで出て待っているとほどなく、真っ赤なBMWがオイラの前に停まった。
なんだ、なんだ、お前には用はないぞ、とシカトしていたら
こんなヤツが降りてきて
「やあ、Jun!乗っけていくぜ!」
って微笑まれてタコは大いに戸惑った。
後部座席に乗るのもなんかはばかられたので、助手席に乗り込む。
ROSLEさんは、トレーディング会社を経営する青年実業家で取引先との打合せまで時間があったため、オイラの呼びかけに応答したと言う。
なるほどねー、金持ちでもちょっとでも時間が空けばこうして小銭を稼ぐアルバイトをするんだからな、オイラもその意欲は見習わなきゃいけないな。
でも、彼ら一般ドライバーにも危惧している問題があるらしい。
この「Grab Car」アプリで一般人たちに仕事を奪われたタクシー運転手たちが彼ら一般ドライバーを襲うんだそうだ。
特にKLブキッビンタン界隈はアブナいらしく、オイラの目的地がそのブキッビンタンだったので最後はちょっと顔が緊張していたよ。
ひとつのアプリがひとつの産業形態を破壊する。
ツラいけど、この潮流はもう誰にも止めることができないんだよ。