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★ 「29日土曜日の午後にサプライズでお母さんにスパのコースをプレゼントするからお父さんだけ知っててね」
と2週間ほど前千朝と遥から打ち明けられていた。
そうか、忘れないようにしないと、と思って自分のカレンダーに
「29日午後からスパ」
とだけ記載しておいた。
それを昨日見て、なんだ?この午後からスパって?
と全く思い出せず、カミさんに
「土曜日の午後スパ行くって言ってたっけ?」
「え? なにそれ、スパなんか行かないよ」
「いや、お前が午後スパだから時間潰してねってオレに言ったんじゃなかったっけ?」
「えー? そうだっけ?」
「そうだろ、じゃなきゃこんなこと書いてないもん」
「でも、スパなんか行かないよ」
「その時は行こうと思ったんじゃないの? 忘れてんだよ」
「そうだったのかなー」
「そうだよ」
と、耄碌夫婦の会話は真実にたどり着くことはない。
そして、耄碌ジジイはその後娘と息子にひどく怒られることになることをまだ知らない。
そこはカレンダーに、このスパは奥には内緒のサプライズなのでうっかり喋らぬこと、と明記しとかないとなりません。なんか間違ってます?
>もとママ<br>ちょっとしたキッカケがあれば全容を思い出せるという過信はもう通用しないんだということを思い知った。