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★ 先日ベロニカがシンガポール出張した時の出来事。
交差点の歩道で自分の行く先を確認するために右や左を見ていたら1人の初老の男性がいきなり近づいてきて
「何こっち見てんだ!バカヤロウ!」
と大声で怒鳴り、ベロニカは怖くて立ちすくんでしまった。
その男は捨て台詞を吐きながら行ってしまった。
さらにベロニカが他の道を歩いていると今度は初老の女性がベロニカの腕をパシン!と叩き
「ちょっと!荷物持つの手伝いなさいよ!」
と怒鳴った。
ベロニカはそれが人にものを頼む時の態度か、と思ったが仕方なく女性の荷物を持って指定された場所まで運んだ。
女性はお礼すら言わなかった。
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こんなことが立て続けに起こるだろうか、とシンガポールに住むベロニカの友人に話したら
「そうなのよ、最近のシンガポールは過度なストレス社会でどうにかなっちゃってるのよ。別に不思議な話じゃないわ。もう私もこんな国嫌だからマレーシアに帰ろうと思っているところなのよ」
と言われたという。
この「超ストレス社会」はどこかの国でもよく聞く話だ。
オイラも一時帰国時に駅の改札口ですれ違いざまにぶつかったサラリーマンに後ろから飛び蹴りされたことがある。
シンガポールと日本。
どちらも小さい国の中で先進性を追い求め、世界の中でも高い文化やサービスの質を誇るが、一方で人々の要求水準は行き着くところまで来てしまった国だ。
「いろいろ問題はあるんだけど、やっぱり私はマレーシアが一番だわー」
とベロニカは笑った。
ティダアパアパ、マイペンライ、そんな言葉が会話の中心にくる、そんな住処に幸せが宿るんじゃなかろうか。