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★ 先週打ち合わせに行った新規のクライアントで(先方は日本人幹部2人)、ちょっと耳を疑うような発言が出た。
この会社はB2B企業ながら新たにデジタルマーケティングを推進したいと問い合わせがあり、コンペに勝って取引が始まった。
外回り営業やセミナー、展示会参加などができない状況でも結果を出していかないといけないわけだからデジタルシフトは当然の方針転換だ。
ウェブサイトも営業戦略に基づいて新規に制作し、集客のための施策もできる範囲で準備万端となった。
そんな状況で先方の総務責任者が
「社長、ウェブサイトも本社より明らかにクオリティが高いし、施策もまだ本社で手をつけてないものですし、大丈夫ですかね?」
「ん?そうか?」
「少しクオリティを落としたりしなくていいですかね? あまり目立っても」
本社より先に進むとまずい。
これは日系の海外支社でときどき耳にする駐在員の言葉だ。
駐在員というのは、できるだけ本社を刺激せず、無難に駐在期間を過ごし、それなりのポストで帰任する、ということが最優先事項なのだろうか。
海外に出れば日本で働くよりもっと多くの権限を与えられて、より大きな力を振えるはずなのにもったいない。
結局社長は
「何か言われたら『本社もやったらどうですか?』と返してやったらいい」
と跳ね返してくれたが、総務責任者はちょっと困った苦笑いを浮かべただけだった。