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★ 昨日の午前中、おふくろの火葬を済ませるとそのまま成田に向かい、バンコクへ戻ってきた。
フライトが1時間ほど遅れ、スワンナプーム着が深夜0時。
自宅に着いたのが1時半だったが、あろうことか玄関の鍵を持っていなかった。
いつもは自宅に家族がいる前提で鍵を持って出張には出ないのだが、今回は一時帰国の途中でカミさんが日本へ戻ってきたので、玄関の扉はしっかり施錠されたままだった。
同じコンドの別の棟に住む娘と弟を起こして鍵をもらおうと残った力を振り絞る。
しかし、玄関をドンドンと叩こうと、何度呼び鈴を鳴らそうと、どれだけケータイで呼び出そうと、二人とも全く起きてくる気配がない。
もう2時を回っている。
諦めてコンドの事務所に行ってみると夜勤のスタッフがデスクに座っていた。
「鍵がないんだけど、予備の鍵ってないかな?」
「ないよ」
即答。
「ここの椅子で寝ちゃダメ?」
「ダメだよ」
即答。
こんなドロドロに疲れているのに、そして明日は新規クライアントプレゼンが朝一からあるのに、オイラは荷物を枕に廊下で寝なくてはいけないのか。。
「鍵がないのか?」
「そうなんだよ、娘や息子も寝ていて全然起きないんだよ」
「合鍵なんかないと思うゾォ・・」
と言いながらタイ人スタッフが鍵を探すとオイラの部屋番号の札のある鍵束が出てきた。
「使えるかな?」
「とにかく試してみよう」
オイラは彼から鍵束を預かるともう祈る気持ちで鍵穴に差し込んで回した。
回った! ドアが開いた!
すでに時間は3時。プレゼンまでほとんど寝られないが、それでもベッドに横たわることが今のオイラには必要だ。
オイラはほんとにうれしくて、財布から100バーツ札を出すとこの夜勤スタッフに渡した。
スタッフも
「おお!」
と声をあげて喜んでいた。