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★ 毎日朝昼晩の減塩メニューを自分で考え、自分で料理しておふくろを介護していた弟が、
「夜中に枕元にケータイを置かなくてもよくなったんだ」
「明日からご飯作らなくていいんだ」
と緊張と重労働から解放された脱力顔でため息をついた。
正直ちょっとホッとした気持ちもあるんだ、と弟は言った。
それでも
「あの風が吹かなかったら」
と悔しそうな表情も見せる。
父親が外出先で突風に吹かれて転倒し、大腿骨骨折で緊急入院したその夜からおふくろは心配で食事が喉を通らなくなってしまった。
普通に生活していたと思ったが、微妙なバランスの上を綱渡りしていたわけで、それが脱水症状を引き起こし、翌日には一気に容態が悪化、そのまま帰らぬ人となったわけで、「あの風」を恨みたくなる気持ちもある。
でも、それは仕方のないことで受け入れるしかないのだ。
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葬儀の手配を済ませてしまうと、翌日は確かにルーティンがなくそれぞれ自由に過ごすことにした。
オイラは吉祥寺への買い物がてら井之頭公園に寄ってみた。
もう何十年ぶりかの桜だ。
曇天で肌寒い気候だったが、それでも井之頭公園は花見客で賑わっていた。
心よりお悔み申し上げます。弟さんの介護本当にお疲れ様でした。せめて満開の桜を堪能して下さい。
>YUKIKO<br>ありがとう。カミさんも帰国してきたので、火葬場の後で井之頭公園に寄り、公園入り口の焼き鳥老舗いせやで焼き鳥とビールの献杯をしたよ。美味しかった。