|
★ 昨晩は柳家三之助師匠とタイ飯を食いながらいろいろな話をした。
噺家というと100もの噺をレパートリーに持ち、いつでもどんな噺でも話せるんだからすごいなぁと思っていたんだけど、三之助さんによると全然そんなことはないらしい。
「そんなに覚えてるわけないじゃないですかぁ」
とのけぞって笑った。
夏には夏の噺、冬には冬の噺をするために、季節の前に今でも大変な稽古をするらしい。
「みんな忘れちゃってますからね」
とグリーンカレーをスプーンですくいながら言う。
日曜日の高座では「青菜」という夏の噺を演じた。
「これで日本に帰れば秋ですからね、あの噺はこのバンコク高座で今年は演り納めです」
とLaosビールを美味しそうにあおった。
全国を回りながら美味しいお酒やご馳走を食べながら少し噺をするだけですから気楽な稼業でございます、と謙遜する。
「自分の落語も出来が良く、お客さんの反応もドカンと来る、そんな高座はどのくらいありますか?」
「そうですねー、そういう高座は年に1回ですね」
それはそれでなかなか大変な仕事だなぁ、とプラムーパッポンカリーを食べながら思った。