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2020年10月19日(Mon) 寅さんの存在

長くタイに在住してこんなに雨季の長雨を経験したことがない。

もうずっと毎日降っている。

ソフトボールももう3週間も延期&延期だ。

この週末もジメジメシトシト降り続いていたし、さらにタイの反政府デモで庶民の足BTSの各駅が閉鎖になるし、家のすぐそばにあるアソーク交差点で大規模集会が行われるし、と部屋でネトフリを見続けているしかなかった。

まあ、ちょうど病み上がりだったのでよかったんだけどね。

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ハリウッド映画の間に挟んだ「男はつらいよ」で、寅さんが旅先で出会った女子大生、原田由紀(三田寛子)をそのキャンパスに訪ねるシーンがあるんだけど、こんなのはこの時代は違和感なかったんだなぁと時の流れを感じた。

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寅さんは、早稲田のキャンパスに入ると(まずあの風貌で今キャンパスに入れるのか?)、キャンパス内を友人とジョギングしていた茂(尾美としのり)に

「おい、にいちゃん、由紀ちゃんはどこにいるんだい?」

と声をかける。

声をかけられた茂と友人は戸惑いながらも寅さんと一緒に学生課に行き、何万人にも及ぶ学生名簿から「原田由紀」を探す。

由紀ちゃんの受講表を手に入れ、次の時間にどの授業があるかを調べて寅さんをその教室に連れて行く。

まだ誰もいない教室で由紀ちゃんを待っているうちに眠ってしまい、授業が始まってしまう。

目覚めた寅さんはしばらく静かにしているが、授業が難しくてわかんねぇよと教授に文句を言う。

教授は寅さん1人に丁寧に産業革命の説明をして行く。

セキュリティ、個人情報、ストーカー、変質者・・・

今ならそんなキーワードが誰の頭にも浮かんで、あっという間に両脇抱えられて警察連れていかれる話なのだが、ほんの少し前までは許されていたんだなと。

今年デジタル技術で蘇った寅さんだったが、バーチャルでよかった。

「本当の寅さんの存在」はもう許されない時代になってしまったのだから。