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★ 「山田洋次監督というのは天才だな」
今年74歳になる日本のコンテンツ業界の重鎮が話し出した。
彼は学生時代から映画、演劇、文学、歌謡など日本のエンターテイメントコンテンツにずっと携わってきた業界でも有名なコンテンツのドンでもある。
日本やインドネシアのパートナー総勢9名でランチミーティングをしているときに往路の全日空機内で観た「男はつらいよ」で涙を流したエピソードを紹介したのだ。
オイラも寅さんはシリーズ49作を何周も繰り返し観ているので大いに彼の言葉に頷き、
「機内でご覧になった寅さんのマドンナは誰ですか?」
と訊いた。
「京マチ子だな」
オイラはすぐに「寅次郎純情詩集」の場面が思い浮かんだ。
ドン「それでもう一人娘役で・・あれは・・・」
オイラ「檀ふみですね!」
ドン「おう、よく知ってんな」
知っているも何もすでにオイラの脳裏には、庭先が落ち葉でいっぱいになっている秋の夕暮れ、縁側に腰掛ける寅さんと檀ふみのシーンが鮮明に蘇っていた。
オイラ「あの檀ふみのセリフが泣かせるんですよね」
と少し圧されているドンの前で檀ふみのセリフの通り、ゆっくり間をとって
「ねえ、寅さん。寅さんはお母様のことを愛してくれた?」
と演技をする。
その情景や心情が胸に迫ってきてその場で涙がこぼれてきてしまった。
なんかいきなりタコ社長が泣き出した。
そもそも話題についていけていない他の7人はもちろん、ドンまでも固まってしまった。
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あとで聞いた話だが、ホテルに戻ってこのドンは同行メンバーたちに言ったらしい。
「アイツはすごいな、天才だな」
いや天才ですよ。社長にしておくのが惜しいくらいのw。きっとドンを黙らせた天才として伝説になります。
>YUKIKO<br>自分で台詞言いながら泣き出すってアイツ薬でもやってんじゃねーか?って広まらなきゃいいんだけど(笑)。