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2019年11月01日(Fri) 珍しくお洒落なタイレストランで

昨日はバンコクに駐在する従兄弟の招待でエカマイの「Khao」という高級タイレストランに行ってきた。

外観も内装もタイ料理屋には見えないモダンでお洒落なデザイン。

もともとマンダリンオリエンタルの料理長だったシェフの創作タイ料理ということで、今まで食べたタイ料理の中で一番美味しかった。

味に深みや複雑さがあってただ辛いだけ甘いだけのタイ料理とは違う世界だった。

 

左上は海老とポメロのサラダ。大きな海老がドンと入っていてココナッツミルクで海老やチキンのミンチなどを絶妙なバランスで和えてある。写真右はココナッツミルクでまろやかに仕上げたカニがたっぷり入ったタイ南部風カレー。これはご飯を食べ過ぎてしまう。

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写真左はカニオムレツ。外がパリパリで中がジューシー。写真右は海老とイカのすり身の黒御影石揚げ。外側のサクサクと中の柔らかさ、すり身のハーモニーが口の中でとろける絶品。

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客層は欧米人と金持ちタイ人の若者たち。

ちょっとキメたい時にいいかも。


2019年11月03日(Sun) SONGS

昨日のNHK「SONGS」槇原敬之、観た?

もう最高だった。

槇原敬之、ファンでもないし、アルバムの1枚も買ったことないけど、痺れた。

カバー曲を3曲歌うんだけど、それぞれの曲や歌詞のエピソードがもともとの素材を何倍にも引き立てるスペシャルグレイビーになっていた。

松任谷由実「Hello, my friend」

フジファブリック「若者のすべて」

エルトンジョン「Your Song」

どれも心震わす。

カバーってちょっと下に見ていたけど、ここまで研ぎ澄ませられるのか。

再放送が、

11月23日(土)日本時間深夜1:40〜 (金曜深夜ってこと)

観られなかった人は、絶対観て!


2019年11月05日(Tue) 悟り

今週8日金曜日にオイラの会社がセミナーを開催する。

Googleのテクノロジーを活用してこれからどうやって企業売上を向上させるか、というテーマ。

今までのセミナーは大抵3社か4社の共催でやってきたが、今回はウチの会社の単独ライブ。

だから講演の時間配分やスライドの1枚1枚の作り込みを細かく詰めている。

タイ人経営者やマネージャーに向けたセミナーなので登壇者はウチのタイ人スタッフとオイラの二人なのだが、その登壇者であるナイは、まるで緊張感も切迫感もなくフラフラしているので講演内容を作成している娘が重いストレスを感じている。

「どうして平気なの?」

「なんで笑ってフラフラしていられるの?」

と険しい顔でオイラに訴えてくるが、それがタイ人というものなのだからしょうがない。

その能天気さに娘は胃を病むが、オイラはもうその域は脱して、最近はもはや「いとおしさ」すら感じるようになってきた。

タイで働く、ということの解脱である。

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ヒラノ [そういう山森くんも、いつも堂々としてました。 テレビに出ている姿も余裕でした。 その時からタイの水に合っていたという..]

Jun [>ヒラノくん あれはテレビ出ているとか言わないから。観客席が映っただけだからオイラが余裕かどうかわからんでしょ。。]


2019年11月08日(Fri) セミナー講演してきます!

「ひと言」開いちゃってごめんね。

今日は午後からアソークのウェスティンホテルでセミナー。

昨日早朝日本から出張者2人を迎えて終日リハーサルや最終調整を行った。

今日も午前中いっぱい、ギリギリまで細かい確認をやってるので、また改めて来るね。

どうかうまくいきますように!


2019年11月09日(Sat) セミナー終了

セミナー、無事終了したよ。

観衆は全員タイ人なんだけど、タイ人は日本人に比べて素直に笑ったり頷いたり反応が優しいのでこちらがどんどん乗ってくる。

そういう時は普段出てこない英語の単語や言い回しが降ってくるのでいいパフォーマンスができる。

 

娘がMC席でセミナー全体の進行をサポートしている、というのも初めての環境だった。

セミナー後すぐに数社から次のアポの要請があった。

データマーケティングやCRMといったテーマは昨年に続いて2回目だが、前回よりだいぶ反応がいい。

のんびりしていた人々もいよいよ変革を迫られているのだ。


2019年11月11日(Mon) どんべ

昨日は年に2回のバンコクソフトボールトーナメント大会。

出場チーム8チーム。

そして、我らがおぼんこぼんは、全敗で最下位。

もう惜しくもなんともない堂々としたダントツのビリ。

打てないし、守れない。

「次の回からセカンド入って!」

「監督、セカンドってどの辺りですか!」

てな会話に仰け反るタコ監督。

漫画で見るような史上最弱チームだった。

それでも楽しくソフトボールをプレイする。

それがおぼんこぼんスタイルだ。

監督としてはそういうしかねーだろ、これ!


2019年11月12日(Tue) ジャカルタへ

日本のパートナー会社のリージョナルミーティングに参加するため、今日から2泊3日で娘とジャカルタ出張。

ジャカルタの空港イミグレで娘が「サイトシーイング」ではなく「ビジネス」と答えたため、オイラも含めて2人ともビザの取り直しになるという不幸に見舞われたが、なんとかホテルにチェックインし、夕食の合流を待っている。

ジャカルタの渋滞はひどく、また空も遠くが見渡せないほど白く濁っている。

このよくわからない「リージョナルミーティング」を早く終わらせて帰りたい。

バンコクもKLもいろいろ立て込んでいて年の瀬に向けてとても忙しいのにこんなところにいてホテルの窓から街を見下ろしていると気持ちが焦ってくる。

こんな気持ちの乗らない出張は初めてだ。


2019年11月15日(Fri) 蘇るセリフ

「山田洋次監督というのは天才だな」

今年74歳になる日本のコンテンツ業界の重鎮が話し出した。

彼は学生時代から映画、演劇、文学、歌謡など日本のエンターテイメントコンテンツにずっと携わってきた業界でも有名なコンテンツのドンでもある。

日本やインドネシアのパートナー総勢9名でランチミーティングをしているときに往路の全日空機内で観た「男はつらいよ」で涙を流したエピソードを紹介したのだ。

オイラも寅さんはシリーズ49作を何周も繰り返し観ているので大いに彼の言葉に頷き、

「機内でご覧になった寅さんのマドンナは誰ですか?」

と訊いた。

「京マチ子だな」

オイラはすぐに「寅次郎純情詩集」の場面が思い浮かんだ。

ドン「それでもう一人娘役で・・あれは・・・」

オイラ「檀ふみですね!」

ドン「おう、よく知ってんな」

知っているも何もすでにオイラの脳裏には、庭先が落ち葉でいっぱいになっている秋の夕暮れ、縁側に腰掛ける寅さんと檀ふみのシーンが鮮明に蘇っていた。

オイラ「あの檀ふみのセリフが泣かせるんですよね」

と少し圧されているドンの前で檀ふみのセリフの通り、ゆっくり間をとって

「ねえ、寅さん。寅さんはお母様のことを愛してくれた?」

と演技をする。

その情景や心情が胸に迫ってきてその場で涙がこぼれてきてしまった。

なんかいきなりタコ社長が泣き出した。

そもそも話題についていけていない他の7人はもちろん、ドンまでも固まってしまった。

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あとで聞いた話だが、ホテルに戻ってこのドンは同行メンバーたちに言ったらしい。

「アイツはすごいな、天才だな」

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YUKIKO [いや天才ですよ。社長にしておくのが惜しいくらいのw。きっとドンを黙らせた天才として伝説になります。]

Jun [>YUKIKO 自分で台詞言いながら泣き出すってアイツ薬でもやってんじゃねーか?って広まらなきゃいいんだけど(笑)。]


2019年11月17日(Sun) 搭乗待合室

とてつもなく気分の悪い起こされ方をした。

中国系の女性がオイラの手を何度も引っ張って寝ているオイラを起き上がらせた。

周りには100人くらいの人たちがいて、険しい顔でオイラの方を睨んでいた。

何なんだ。。

今度はいきなり背後から現れた中国系のおじいさんがヘラのようなものを取り出して、オイラの腕をそのヘラで何度も何度も擦り始めた。

汗びっしょりになっているオイラのハゲ頭もそのヘラで何度も擦った。

その度に汗が飛び散ってもおじいさんはやめなかった。

だんだん様子がわかってきた。

ここはバンコクからKLに向かうフライトの搭乗待合室だ。

前のベンチに座っていた初老の男性がディリークイーンの売店から持ってきた紙コップ入りの白湯をオイラに飲ませた。

完全に意識が戻った。

朝から体調が優れず、お腹も壊していて春貴と同じ症状だな、うつされたのかもな、と思いながら搭乗を待っていて、気を失ったのだ。

機内に入るとパーサーがオイラのところにやってきて

「搭乗待合室で失神しましたか? 具合はどうですか? 何かあったら遠慮なくおっしゃってください」

と告げた。

ここで降ろされたら嫌だなと思い、「大丈夫、大丈夫」と明るく振る舞った。

KLに着くとオフィスに寄り車を取って自分のコンドに向かう。

ガソリンがなかったのでガソリンスタンドに寄り給油した。

ガソリンを入れ終わって支払いカウンターに向かう途中でまた目眩がして立てなくなりカウンターの下にうずくまった。

スタンドの職員が駆け寄ってきて大丈夫か?と声をかけた。

支払いを済ませてコンドへ行き、そのままベッドに入った。

発熱しているのか、エアコンも入れてないのに寒かった。

そしてそのまま眠りの底に落ちた。

12時間くらいだろうか、朝7時に起きると体調がだいぶ良くなっているのがわかった。

今日はソフトボールの試合。オイラは先発投手なのだ。

昨日寝る前に監督の野田にLINEで状況を知らせておいたので、グラウンドでみんなが心配して集まってきた。

「心肺停止になったのを心臓マッサージで蘇生した」

と広がっていた。

人の噂とは実にいい加減なものだ。

さて、ともあれ今日も投打に大活躍してやる!と張り切ったが

「試合に出してJunさんに何かあったら後悔してもし切れない」

と試合には出してもらえなかった。

それでもここしばらく負け続けていた住友に7−5で勝利した。

勝ったのに、何だか悔しかった。

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ヒラノ [日本に来たりして、疲れが溜まっていたのでしょう。回復を祈ります。一方で積年の所業を心で省みているのかもしれませんね。..]

Jun [>ヒラノくん 全然心当たりがないんですよ、それが。。]


2019年11月21日(Thu) クロ現+

月曜日、火曜日とKLで仕事をして火曜日の夜にバンコクに戻った。

年末から来年に向けての仕事がタイとマレーシア双方で立て込んできて、気持ちがついていけてない。

残業しすぎているわけでもないし、週末休めていないわけでもないのになんか力がみなぎってこない。

もうすぐ師走だ。

気持ちをアゲるために作業BGMを今朝からクリスマスソングに切り替えた。

最後の直線に入り、あとは残っている力を出し切って走るだけだ。

昨晩は仕事のパートナーでもある日本のIT社長がNHKのクロ現で紹介されるというのでテレビの前で待っていた。

彼の会社は固定電話をオフィスから撤去するという先進的な試みを実施し、それをNHKが取材。番組のテーマは「電話のない先進経営」みたいなことになるのだろうと誰もが考えていた。

ところが番組が始まってみると

「見直される電話によるコミュニケーション」

という趣旨。

彼の会社は電話を撤去したせいで多くの顧客を失ったというまるで逆の演出に使われた。

丸2日密着され、斬新経営を語りまくったこの社長は結局一言も出演せず、オフィスをパンするカメラにちらっと映っただけ。

全てカットされていた。

ドキュメンタリーは作る前からすでに番組側が言いたいことが決まっていて、「取材」と称してその言いたいことの演出材料を探す。

彼や彼の会社は先進経営どころか時代を読めない間抜けな会社として世界に印象を残してしまった。

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駐在君 [私が使うシンガポールの金融サービスはカスタマサービスのチャット(多くはボット)ですべて問題が解決します。オペレータよ..]

Jun [>駐在君 海外はさらに固定電話率は激減するね。このベンチャー社長が踏み切ったのもオイラの会社には固定電話が1台しかな..]


2019年11月23日(Sat) AI専門家と恋愛

一昨日は東大物理でAIを勉強してデータ分析のフリーランスをやっている26歳の知り合いと娘、息子と4人で飲んだ。

AIについて、機械学習について、深層学習について、データ分析について、彼はいろいろと話してくれた。

データを扱う仕事は、仕事場を選ばない。会社に所属する必要もない。

今はバンコクで1ヶ月ほど暮らしながらフリーで仕事を請け負っているが、来週はベトナムへ行くという。

そう、自由に世界中どこへでも行ける。

20代で世界旅行をしながら楽々と年収2,000万円を稼ぐことができる。

彼はなかなかのイケメンなのだが、彼女居ない歴26年らしい。

自分では

「究極のオクテ」

と分析する。

気になる彼女がいてもそれをどう表現したらいいかまるでわからないので、ペラペラと関係のないことを喋ってしまい、彼女の方が

「私には全く興味がないんだわ」

と誤解して何も始まらないらしい。

もう少しすればAIが彼を救ってくれるだろうか?

それとも彼自身が

「君が好きだ」

と口に出せるのとどちらが早いだろうか?


2019年11月24日(Sun) やっぱり勝ちたい!

今日はバンコクソフトボール大会後初めての練習試合。

うちのチームも大勢加入して、30人くらいになった。

だけど試合に来られるのはなんだかんだで9人ギリギリ。

でも今日は新人さんも合わせて15人集合。

そしてその新人さんたちが経験者だったので攻守に厚みが増し、大会で最下位だったのが嘘にように2戦2勝。

やっぱり勝つってのは気持ちがいいなぁ。

試合後もテンションが上がるので珍しく

「みんなで焼肉で祝勝会だー!」

となる。

オイラも今日は完投勝利とホームラン1本で気持ちがいい。


2019年11月26日(Tue) ペパマス帰国

映画の中で怒りに任せて自分の部屋をめちゃくちゃにするシーンを立て続けに見た。

ドラマでも映画でも怒りや憤懣や絶望を表現するために多用されるけど実際ある?これ。

全部あとで片付けんだよ、自分で。

それ絶対脳裏によぎるよ。

「ついカッとなってそんなこと考えもしなかった」

としたら、例え主役だったとしてもヤバい人だよね。

友達になりたくない。

さて、先週末日本に本帰国したペパマス。

役所の手続きやら子供たちの学校の準備やら実家の断捨離やら家族が快適に住めるような環境を作るためしばらくは相当大変そうだと連絡が来た。

それが終わってからいよいよ職探し。

60歳、シングルファーザー。勤め経験なしという条件で今の日本はどのくらい彼を受け入れてくれるのだろうか。

頑張れ、ペパマス。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

駐在君 [なんなら英語ドライバーが比較的給与いいみたいですよ。日本のタクシー業界は年々増え続ける外国人観光客に対応できる英語タ..]

Jun [>駐在君 なるほど〜!知らせてやろう。確かに語学は使えるね。]


2019年11月27日(Wed) 殿様か、神様か。

今日は営業のナイと娘と息子の4人でGoogleに行った。

Googleのマーケティングツールを営業パートナーとして一緒に広めていく。

しかし、さすが殿様Googleだなと思ったのは、ウチのクライアントへのセールスを共同で行う際、一緒にクライアントに出向くのではなく、Googleのオフィスで販売をする。

売る側が顧客を自社に呼び付けるのだ。

しかも1社ではGoogle様も効率が悪いので3社同時に連れてこい、と言う。

彼らは「外回り」なんかしないのだ。

だからGoogleには事実上「カスタマーサービス」という部署がない。

営業パートナーが全ての問題に対応し、処理し、Google様まで持っていかない。

持っていかないパートナーが「良いパートナー」として評価点が高くなる。

Google様はオフィスでコーヒーを飲んで待っていればいい。

そして買い手であるクライアントがわざわざGoogleオフィスまで出向いてセールスを受けるのか、と思う。

が、これが出向くのである。

「Googleに招待された」

「Googleのオフィスに入れる」

とまるでプレミアチケットでも入手したかのように喜ぶ。

そのチャンスをくれたとウチの株は上がる。

つくづく夢のようなビジネスだな、と思う。


2019年11月28日(Thu) 炎上

今一件炎上案件があってね、今日の午後ウチの娘とタイ人チームとお詫び&今後の提案に行ってきたよ。

先週から今日のための説得材料集めや調査などをして、みんなで必死にプレゼン資料を作った。

久しぶりに気の重い1週間だった。

娘も息子も絡んでいるから家族で晩飯食いながらもこの話ばかりで。

でもこれはオイラにとって本当にありがたかった。

旦那が会社でのモヤモヤを家族団欒に持ち込めずに家族の中で孤独感を味わって次第に神経をやられる話をよく聞くけれど、オイラはむしろ家族で話題にすることで気持ちが安定していった。

朝にはすっかり腰が据わっていたので、オイラのプレゼンもパーフェクトだった。

もちろんこの場で解決したわけじゃないけれど、クライアントからは質問も反論も出なかった。

まあ、あとは人事を尽くして天命を待つだな。

あー、スッキリして気持ちが軽くなった。

解決はしてないけど、とりあえず今晩は家族で乾杯だ。


2019年11月29日(Fri) 伝承

今日は1日アポがないので久しぶりにデスクに腰を据えて提案書作りをする。

こういう資料作りのノウハウもマニュアルのようなものに落とし込んで同じレベルで共有できるようにしておかないとな、と常々思いながらなかなか手がついていない。

今から30年前に初めてマレーシアに来てマレーシアローカル、アメリカ、そして日本の広告会社との合弁会社に駐在した。

アメリカの巨大広告会社は、このマレーシアの合弁会社に広告に関する様々なマニュアルを提供していた。

クリエイティブ開発の仕方、プランニングの仕方などそれぞれ10cm以上にもなる分厚いマニュアルがたくさんあった。

マレーシアやタイの現地会社がすぐにグローバル企業に同レベルの広告プランを提案できるのもこういった優れたマニュアルがあったからだ。

マレーシア合弁会社の社長から

「Jun、日本の広告作りやプランニングのマニュアルを持ってきてくれないか?」

と言われてなんじゃそりゃ?と思った記憶がある。

日本の本社で海外支社長が一堂に会する全体会議があって、その席で

「ウチの会社にはそういうマニュアルはあるんですか?」

と訊いたんだけど、社長も担当役員もなんじゃそりゃ?という顔をしていた。

「そういうのはそれぞれ社員個人個人が自分で考えて動いて自分の流儀を見つけていくものだろう」

という役員もいた。

いにしえの時代から日本では技術やノウハウは親方から盗むものであって、教えたり教わったりするものじゃないという美学がある。

それがビジネス社会でも文化として踏襲されてきた。

ところがグローバルの競争になると全てが属人的過ぎることがわざわいし、特定の駐在員がいなくなるとサービスのレベルが保てず仕事を失うという日本企業の顛末も嫌という程見てきた。

この30年で蓄えてきたアジアビジネスのノウハウをどう伝えていくか、大事なところである。