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★ ベロニカはまだ体調が戻らないのに昨日も夜遅くまで仕事してたし、週末も出てきて企画書を作っている。
「今日はもう帰りな」と言っても「Thank you〜」と微笑むだけで帰らないし、
「週末はゆっくり休んで」と言っても「Daijoubu〜」とおどけて出社してくる。
多分、自殺した電通の女性社員より残業してる。
なのに、なんだか嬉しそうなのだ。
「生きるために仕事をしているのか、仕事のために生きているのかわからない」
電通の女性社員は友人にそんなメッセージを送っていたという。
自分が取り組んでいたはずの仕事に、自分が侵食されてしまったのだ。
最近はテレビなどでもライフバランスの中で労働時間の一律短縮などが議論され、ただ単に
「長時間働くことが悪」
と「幸せな生活」の対立概念にされているが、本来ワーク・ライフバランスは
「仕事と生活の調和」
だから、仕事へのやりがいもきちんと持たないと破綻するバランスなのだ。
自分にもっとスキルをつけたい、高めたいと思っている人が、もっと働きたいと思うのはごく自然なことだものね。
でも、ベロニカは彼氏と別れたらしい。
「私、一人で自由に仕事がしたいの」
と彼女は笑う。
とは言え、上司として微妙に責任を感じる。