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★ 絶対王者吉田沙保里が負けた、という知らせで目が覚めた金曜日の朝でした。
あえて、吉田選手の話を置いておくと、
勝ったアメリカのマルーリス選手は幼い頃から吉田沙保里に憧れて親の反対を押し切ってレスリングを始めたらしい。
我々がオリンピックを見ていると、選手たちが国と国を背負って戦う姿しか見れないけれど、彼らはオリンピック以外でもしょっちゅう戦ったり、交流をしているんだね。
体操なんか見ていると、個人戦ではお互いに演技の後にハグして健闘をたたえ合うもんね。
ネイマールやロナウドに憧れてサッカーを始めるサッカー少年には国境を超えた彼らのヒーローがいるわけで、このマルーリス選手にとってはそれが吉田沙保里だったわけだ。
だからマルーリスは勝利のガッツポーズではなく、マットに泣き崩れた。
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吉田沙保里が4連覇を果たしたら、もしかしたら彼女は無敗の王者としてそのまま引退したのかも知れない。
彼女に憧れ、彼女と戦い、彼女に勝利することを夢見ている全ての女性レスラーを置き去りにして姿を消すのだ。
であれば。
吉田沙保里に憧れて人生をレスリングに捧げた少女の夢を一つでも叶えてあげたのは、それはそれでよかったんじゃないかと思うのだ。