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★ アメリカ大リーグの選手が13年380億円というスポーツ史上最高額の契約を交わしたというニュースを聞いて、55歳のジュエリー作家友人すけさんに
「5年間毎日、決められたアトリエから一歩も出られず、家族にも会えずに指輪を作り続けたら20億円あげましょう、と言われたら受けるか?」
と訊いてみた。
すけさんはしばらく悩んだ末に
「受ける」
と言った。
まあ、そうだろう。60歳に20億を持って残りの人生を悠々自適となれば。
では、
「向こう10年毎日同じ条件で50億円だったら受けるか?」
と訊いてみると、相当真剣に考えた。
今日はもう寝る?っていうくらい長いこと考えた結果、
「受ける」
と言った。
なぜ? 65歳で50億円どうするの? と問うと、
「オレが嫌がっても家族が『行ってこい』って言う。『今まで何の役にも立たなかった借りをここで返せ』ときっと言うから」
これは哲学的瞑想の壷よりも深いかも知れない。