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★ 昨日は某日系ITベンチャーの東南アジア営業責任者が打合せでやってきた。
この会社は顧客情報の流出など「データ漏洩」を防ぐセキュリティツールで日本ではここ数年で爆発的に成長してきた会社だ。
その勢いを駆って一気に東南アジアも制覇しようとこの1年、彼がベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール等を走り回っている。
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「全く売れないんです。売れないどころか話も聞いてくれない」
彼は大きくため息をついた。
日本では「顧客情報流出!」でマスコミが大騒ぎをする。
企業のトップが記者会見で頭を下げる情けない姿が連日テレビに映し出され、世間から叩かれ、データを扱う世の会社の経営者は戦々恐々とする。
もはやデータを扱わない会社なんてないからね、
「あんなことになりたくない!」
とセキュリティ対策ツールは黙ってても飛ぶように売れているらしいのだ。
ところが。。。
タイやマレーシアでは
「セキュリティ? 何それ、要らない要らない、帰って帰って」
とほぼ門前払い状態。
仮に話を聞いてくれたとしても、
「顧客の情報が流出したってそれがなに?」
「別にお客さんも困らないし、クレームもないし」
そんなことに金かけたり、スタッフの仕事増やしたりするより、もっと今やらなきゃいけないことが山ほどあるんだよ、とこうなってしまう。
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1年ほど前にこの会社の経営陣が日本からやってきて東南アジアでの販売協力を要請されたときに、
「こちらではまだまだセキュリティの意識がないので、販売より先に啓蒙活動からですね」
と話し合ったんだけど、きっと彼らは(そうは言ってもさすがにひとつも売れないってことはないだろう)と考えていたに違いない。
「年間1千万円の売上目標をコミットしちゃってるんで放心状態です」
と驚くような期待を抱いていたわけだ。
土地があって人がいればそれが「市場」だと勘違いしている日本人経営者が多過ぎる。
市場というのは「人の心」のことなんだよ。
雑誌の懸賞で、当選者のフルネームはもちろん、IC番号や携帯電話番号まで載せている国ですから。
>まさ<br>あー、タイでも出るわ。「ID載せなきゃ、当たった人が自分かどうかわからないでしょ」って言われるからね(笑)。