|
★ KLスタッフのベロニカが今週末から来週一杯、KLとシンガポール在住の家族親類総勢18名で中国本土の親戚を訪問する。
中国人の「ファミリー」は日本人の言う「ファミリー」と違って親類まで入る。
だから「家族旅行」が20人なんてのは当たり前なのだ。
今年のチャイニーズニューイヤーの集まりで
「みんなで中国行くべか」
と盛り上がり、この度実現する運びとなったそうなのだが、18人のほとんどはジジババで、30歳のベロニカがこの団体旅行の全ての手配一切を押し付けられてしまったのだと言う。
仕事中にも電話が鳴り続け、
「ベロニカ? ああ、アンジェラ叔母だが飛行機の席は窓側頼むな」
「ベロニカ? ラオ叔父だが、渡航ビザってのがねーだよ、頼んだよ」
「ベロニカ? おら、マーガレット伯母だがよ、中国のホテルは汚ねからよ、4星以上じゃねとあかんぞ、汚がっだらおら泊まんねぞ」
「ベロニカ? マイケル伯父だげんどよ、金あずげでおくで、旅行中のおらの買い物はじぇんぶ精算しといてけろ」
と(名前と訛りはちょっと脚色だが)、わがままの集中砲火を浴びている。
目上からの命令は絶対の中国系なのでベロニカはただひたすら
「はいはい、叔母ちゃん、はいはい、叔父ちゃん」
と健気に応対しているが、実際は涙目である。
ベロニカの賢い弟は早い段階で
「俺、行かねぇ」
宣言をしており、
「ねぇちゃん、俺を巻き込むなよ、自分でやれよ」
と突き放されるので家では両親に当たり散らしている毎日だと言う。
オイラが、
「これじゃ、来年も大変だな」
と言うと
「いや!もうが最初で最後!絶対行かない!」
と助手席のダッシュボードをバシバシ叩きながら叫んでいた。