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2017年12月07日(Thu) 記憶の中の選手

今、ドンムアン空港。これからナミとマレーシアに飛ぶ。

昨晩は中学校時代の友人が、ゴルフ仲間とバンコクに遊びに来たので焼肉あづまで夕食会。

その席で彼がオイラを指差しながら

「こいつとオレ、中学時代に学校代表で杉並区の陸上競技会で400mリレーに出たんだよ」

と言い出した。

昔、大きな競技場の陸上トラックでリレーを走った記憶が微かにあるが、このことだったか?

しかし、それが杉並区の大会だったとか、この友人もリレーのメンバーだったとか、そんなことはきれいさっぱり忘れていた。

さらにこの友人は

「最初に走った奴がビリでオレにバトンを渡して来てさ、山森覚えてる? 田中だよ」

田中がメンバーだったことも、その田中がビリだったことも、その田中がこの友人にバトンを渡したことも何も覚えていない。

畳み掛けるようにこの友人は

「それからが凄かったよな、山森。田中がオレに『すまん!あとは任せた!』って叫ぶからよ、オレ頑張って2人抜いたんだよ。それで山森にバトン渡したんだ」

もう、何を言っているのかさっぱりわからない。

「それからこいつがまた速くてさ、また2人抜いたんだよ。それでウチらのアンカーに山森がバトン渡してな」

なんだか、もう夢の中の話を聞かされているよう。

「このアンカーが最強でな、ほら、石川。残りの競争相手を全員抜いてオレら優勝しちゃったんだよな!」

そんな映画のような話、なんでオイラはカケラも覚えていないんだ。

「あれ、杉並区の新記録でな、あれ以来、10年以上もあの記録破られなかったんだよ」

そのリレーの第三走者、ほんとにオイラだったのか?