★ 着任3日目の奈須君。

着任翌日は朝から不動産屋とアパート探しをし、BTSエカマイ駅から徒歩5分という新築高級コンドの部屋を見て目がハートマークになり、即決、即金、即日入居。いよいよ新しい駐在生活がスタートした。

3日目は、プレゼン2件。

午前中の日系企業へのプレゼンではあまりの緊張に舌がもつれ、途中で日本から同行した彼の上司がプレゼンを引き継ぎ、大凹み。

午後はタイの大手企業への英語プレゼン。一生懸命説明はしたのだが、

「タイのシステムを勉強してからもう一度プレゼンしてください」

と駄目だしされて、大落ち込み。

会社に戻ってからタイ人スタッフ達と早速勉強会。

勉強会が終わると、デスクのそばに立てかけてあったアコスティックベースを担ぎ出し、スタッフ全員を観客にしてベースソロのミニライブ。

ひたすらベースだけのライブってのは初めて聴いたけど、観客から拍手喝采を浴びていた。

早くも濃い3日間を送っている。

(写真は、部屋が決まってご機嫌の奈須君)

★ 昨日は会社で奈須君の歓迎会を開いた。

「一気」を覚えたてのタイ人スタッフたちは奈須君と「一気」するのをたのしみにしていて、全て受けて立った奈須君は立派だった。

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そして、仲間になった。

★ ブリスベンの知り合いからお見舞いメールが届いた。

少し前に洪水災害に遭ったブリスベンの様子に触れながら、その時に見た報道番組のことが書いてあった。

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When I watched the news at night, I could not accept the terrible questions reporters were asking poor people. Folk who had lost everything were being asked "how do you feel that you have lost your home?, or how do you feel about not knowing if your family is alive?" Me I wanted to punch them for being so heartless.

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被災者に愚問を投げかけるレポーターとそれに憤る視聴者の構図というのは世界共通なんだな。

そして、こんな風にも書いてあった。

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Anyway when Japan got hit I saw some news and read more in the paper, as I felt that we were watching poor people again suffering and we didn't need to see people crying and devastated, but it was "news entertainment" for news people, and they did not really care about the poor people. So I am very sorry for your country.

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慟哭する被災地の光景で意気消沈させるばかりではなく、元気を出そう、金使おう、と前向きになるような映像は作れないものだろうか。

★ タイは明日からタイ正月のソンクラン。水掛け祭りです。

気候も一段と暑くなってきたし、1日中水浸しになるには最高でしょう。

奈須君は「街中が水を掛け合う」という光景がいまだに想像できないようで、ドキドキしている。

営業のBowちゃんが奈須君をソンクラン休みに誘い出したらしく、そっちでもドキドキしている。

「遊びはだめだよ。結婚を前提に、真剣にだよ」

とオイラが奈須君に釘を指しているので、さらにドキドキしている。

オイラはたぶん仕事。

でもちょっとだけ、また水大砲を持ってソイカウボーイの白人軍との戦いに参戦しようかな、と思っている。

★ 昨日はソイカウボーイで大乱戦。奈須君はまるで子供のように大喜びで、水鉄砲を抱えたまま通りを走り回っている。

欧米人5、6人を敵に回し、人の背中に隠れながら撃ったり撃たれたりで3時間、初めての水掛けを満喫した。

(写真左はソイカウボーイ入口。写真中、GOGOガールはお立ち台で踊りながら。写真右、休戦ビールでご機嫌の奈須君)

★ 昨日3人、今日2人。面接を予定していた営業候補者は一人も面接時間に来なかった。今日夕方5時から予定している候補者も確認電話に出ない。

2日間面接の準備をしてタコ社長は壺の中で眉をハの字にして待っている。

「もし面接に来られなくなった時は必ず連絡をしてくださいね」

と念を押しているにもかかわらず、どうしてタイ人は何の連絡もなしに入社面接という社会的な活動をすっぽかすのだろうか。

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(1) 行かないと決めた時点で自分にとっては無関係なもの。連絡をするなどの一切の関わりは必要ない

(2) 電話代がもったいない

(3) 全員揃って家族に緊急事態が発生した

(4) 行くには行ったがエントランスの回転ドアが回らず入れなかった

(5) ソイ13の入口にアフリカ人の酔っ払いが掘った落とし穴があって、全員そこに落ちている

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次第に現実から離れていくような気もするが、明日午後1時と2時に予定している2人の候補が心配なのでソイの入口までちょっと見に行ってみようかと思う。

★ 昨日は日本からのお客さんと奈須君と4人でメキシコ料理で晩飯。

日本からのお客さんは今回業務出張ではなく、彼女を連れてホリデー。

彼も彼女も昔はミュージシャンで、今でもバンドを組んで定期的にスタジオ練習しているらしい。

奈須君もガチのベーシスト。

オイラもパレットおやぢバンドだけど、彼らの経歴は筋金入りだし、ブラックメタル、デスメタルといった、声を悪魔声にして叫ぶだけ、メロディ無しというハードな音楽を追求してきた人たちなわけで、何を話しているのかさっぱりわからなかった。

ブラックメタルというのは悪魔信仰にも通じる過激なもので、教会に放火したり、殺人を犯したり、自殺をしたりと破滅的かつ錯乱したジャンルらしい。

オイラがやってきたチューリップなんていうのは、

「外へ出ちゃあぶないよ 星がほら落ちてくる ロケットが星にぶつかり こなごなになった〜♪」

なんていう歌詞をメロディアスにハーモニー豊かに歌うジャンルである。

意気投合する余地はないのである。

さかんに3人がヘヴィロック、へヴィメタルで盛り上がったところで、

「要するにあなたたちの目指す先にいたのがデーモン小暮ってことだよね」

と言葉を投げ入れると、みんなすげー嫌な顔をしていた。

★ 元会社時代の某テレビ局の知り合いから「知人がタイに行って市場調査をするので会ってやって欲しい」と連絡があった。

最近は企業でも個人でもタイに出たいという話が多いのだけど、今回も「ああ、いいですよ」と気軽に承諾してお会いした。

ところが、昨日うちのオフィスに来た人は、どうも一見して堅気に見えない。(人のことは言えないけれど・・・)

タイの市場についてのお話と言っても、出てくる話題は競馬、ギャンブル、芸能事務所、出会い系サイト、といった業界のものばかり。

彼が帰った後で奈須君が

「ちょっと彼の名前でググッてみたんですけど・・・」

と見せに来た検索結果には

「悪徳」「詐欺」「海外逃亡」「逮捕」「懸賞金」「騙された」

といった怒りの告発が並んでいた。

「怖いっすよ。関わらないほうがいいっすよ」

そう言えばこの人、盛んに日本はもう商売にならないと繰り返していた。

いろんな方面の人たちが海外脱出を図り始めたということのようだ。

★ 水曜日夜からの食中毒と高熱が激烈で昨日から入院。脱水症状がひどくて腎臓の機能低下を招き、生まれて初めての点滴生活。さっき、経理のNidちゃんと奈須君がPCと着替えを持ってきてくれたのでちょっとだけ「ひと言」。