★ 最近周りに会社や仕事のことでストレスを抱えて気を病む知人が増えている。

身近なところにもかなり苦しんでいる人がいるんだからこれはけっこうな社会現象なんだろう。

人が「ガックリきて動けなくなる」大きな要因に

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喪失感

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というものがある。

自分なりに大事にしてきたコトやモノを亡くして、拠り所を失い、どうしてよいか分からなくなってしまう。

オイラはこの

「自分なりに大事にしてきたコトやモノ」

というのがクセモノだと思っている。

例えば、長い時間かけて頑張って働いてきた会社や仕事だったり、それによって築いてきた地位や生活水準だったり、それは大抵本人が

「コツコツと積み上げてきた」

コトやモノなのだ。

こうしてモノゴトを「縦」にして考えることを「垂直思考」という。論理的思考である。

これはモロい。

崩れた時の景色が一変するからだ。

実際には、「積み上げてきた仕事や会社」なんて大したモノじゃないんだけど、本人はそれ1本を大事に積み上げてきたわけだし、他のことは考えてもいなかったから、これが折れた時には心も一緒に折れてしまう。

一方で、常に「横」に広くモノゴトを見渡し、少し積み上げてもいつでもリセットしながら「水平」に動いていく考え方を「水平思考」という。直感的発想である。

これは強い。

一昔前のように人々の価値観や観念が固まっていて、みんなが一つの方向に向かって動いている時は地盤が安定しているから「垂直思考」でもリスクは少なかったが、現代のように価値観が多様化し、大企業があっという間に倒産するような地震の多い地盤ではいつ倒壊しても不思議ではない。

「垂直思考」自体を悪いといっているのではなく、垂直に積み上げてきたコトやモノを「唯一無二」だと絶対視することが危ういと思うのだ。

このご時世、いつ何が起こるか分からない。

それを前提にして「リセットしてまた始めよう」と常に視線を水平に保つしなやかさを持っていないと、生きていくのが難しいよね。