2001年JalanJalan東京忘年会
副題 「トリー・ボッターと魔物の宿」
第三章 (新宿 魚民)
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第三章。それはまだ見たことも行ったこともない未知の世界。例え、かつて行ったことがあったとしても、それはトリー・ボッターにとって母の胎内に居ながら行ったようなものに過ぎない。ここまで来た魔物総勢は13名。特に危険な連中だ。恐る恐る宿の中に入るとそこは第二章と一変して明るく広く開放的で大勢の魔物たちで賑わい、活気がある。一瞬ホッとするトリー・ボッター。しかし、辺りを見回してすぐに震え上がった。宿の至るところにすでにおびただしい数の「オダブツさん」が転がっているのだ。確かにそこで騒いでいるものの目や匂いはすでに普通ではない。同行した魔物たちは不気味な薄ら笑い浮かべている。そうか、本当はここが一番恐ろしい最後の魔境だったのだ。果たして彼は凶悪な魔物たち対峙し、生き残ることができるのか。「勇気・・、神様、僕に勇気をください」トリー・ボッターは胸に手を当てた・・・・
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魔物一口メモ |
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変わらぬペースでひたすら静かに飲み続けるキクちゃん(写真左)。なにがそんなに受けたのか、kanaのギャグに大笑いするすけさん。隙を見せず、いつでも攻撃する態勢をとりながら飲み進む魔物たち。そして、次第に局部的に魔物同士の戦いは激しさを増していった。 |
魔物同士の壮絶な戦い。まず餌食になったのはあきらだった・・・・
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おしぼりを両手に持って思い悩むあきら。次第に彼の思考は意味不明な行動へ彼を駆り立てていった。 | トドメを刺しに来たひさぞう。あきらはすでに魂が抜け、体は空洞化している。 | 耐え切れず横臥するあきらに執拗な攻撃を加えるのはさやぞう。 | 何をしたかというと、魔物の弱点、へそに氷を置いている。パンツをずらされ、冷たい、哀しい夢にうなされるあきら。 |
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さらに攻撃の手を緩めない、さやぞう。苦しくて開いた口の中にどんどん氷を詰め込む。 | すでに自分の世界に入ってしまったさやぞう。あきらは次第に哀しいオブジェと姿を変えていく。 | 自分の創造物に満足のさやぞう。「や〜ん」とか言いながらコイツたいそう危険。 | さらに手を加えようとするぴよりん。まるでかつての自分を見ているようだと感慨深いトリー・ボッター。 |
魔物の宿の壮絶な死闘 「くよくよ仮面とひさぞうの昭和枯れすすき」 |
戦いは死屍累々の山を作った・・・・
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まさにそこは修羅場であった。壮絶なる魔力と魔力の激突。威力が絶大である分、ダメージも大きいのだ。トリー・ボッターはそれらを振り返り、肩で息をした。今まで見たこともない光景に感動すら覚えている。体を横たえたあの中に何があるのか、トリー・ボッターは知っている。何もないのだ。そこは暗黒の地平。その外に出る手立てはない。そして、今彼はその地平の外にいる。光を感じ、風を感じ、音を感じる。「神様、勇気をありがとう。神様、僕は生きているんだね。これが生きるってことなんだね。」 トリー・ボッターは目に涙をいっぱい浮かべ、手を合わせた。こうして足元に臥す「オダブツくん」たちを見下ろすと、今まで戦った魔物たちに慈悲の心すら湧いてくる。辛く長かった戦いも爽やかな記憶に昇華していくような気さえする。そう、彼は勝った。トリー・ボッターは見事に生き残ったのだ。夢に見た「歓びの魂」を拝むことができる。永遠のように長い夜を抜け、トリー・ボッターは外へ飛び出した。冷たい空気が彼の身を包み、彼をたたえる。鳥の羽音を追うように目を上げると、空の藍が柔らかく溶け出している。トリー・ボッターは帽子を目深にかぶり直すと駅に向かって歩き出した。 |
完
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2002年もみんなにとっていい年になりますように! |
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