2001年JalanJalan東京忘年会
副題 「トリー・ボッターと魔物の宿」
第二章 (カラオケ館新宿店)
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第一章で腹を満たした魔物たちと共にトリー・ボッターは次の宿へ移動した。第一章の宿で無傷だったからといって油断はできない。ここ数年ずっと生還できない一番危険な場所だということをトリー・ボッターは百も承知しているのだ。魔物の総勢は19人。時間と共に危険度の高い魔物が残っていくということも彼にはわかっている。体がぶるぶるっと震える。でも、彼は進むのだ。そして、いまだ見たことのない「歓びの魂」、きらきらと眩しい朝陽を見るのだ。そう決心してドアを開けるとそこはどんよりと暗く、ピンクや紫の火花が怪しくちらちらする場所だった。魔物たちはこういう場所が大好きなのだ。トリー・ボッターは軽い眩暈を起こしながらも自分を奮い立たせ、早く暗闇に目を慣らそうと部屋を見回した。魔物たちも居心地のいい場所を確保すると、さらに腹に詰め込む飲み物や食い物を口々に叫び、歌本を奪い合う。連中の欲望は果てしないかのようだ。次第に開宴に向けて再び妖気が高まる。こうしてトリー・ボッターを巻き込んだ第二章は幕を開けた・・・・
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魔物たちもマグルと同じように歌う。選曲のジャンルはバラバラ。何でもあり。そしてどんな曲でも同じようにノル。それが連中の単純なところであり、すごさでもある。 |
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ピクミン愛のうたをデュエットする同士、あこ&ぴよ。けなげな愛に身を焦がしたい。 | 熱唱、親分軍団。アップテンポのコミカルソングで一気に場を盛り上げる。 | 日本上陸後初歌唱の不動。マイクを持たないときはカメラ小僧となる。 | マタハリ演歌姫、おゆきのド演歌。ニッポンの心を歌う、今後も楽しみなキャラ。 | さやぞうのアニメソングはプロ技。実は様々な物まね芸を隠し持つエンターテイナー魔物。 |
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次第に魔物たちは体を揺らし、跳ね、回し、最後には意味のわからないことをてんでに叫びながら踊りだした。穏やかそうに見えた目は、焦点を失い始め、トランスエリアに入っていくのがわかる。誰が歌ってようが何を歌ってようが、そんなことはまったく関係ない。ただただ、絶叫し、踊りまくるのみ。魔物はこの辺りから大変危険になる。トリー・ボッターは魔物たちの機嫌を損ねないよう、同じように叫び、踊る。同化してしまうこと。これが今回トリー・ボッターにはとても大切なことに思えたのだ。 |
そして、トリー・ボッターと一緒に踊っていた二人の魔物は興奮しすぎたのか、体に異変が起きた。 |
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首がくるくる回って「こけし頭ゴマ」状態になってしまったかねちん。ウルトラC技。 | 喜びすぎで顔が溶け出したすけさん。魔物の体は感情の起伏で変幻自在なのだ。 |
そして、宴たけなわ「時間です」の声で第二章は強制終了となる・・・ 危険水域を越えたと感じた宿側がストップをかけたのだ。魔物たちは「早すぎるぅ」「騒ぎ足りないぃ」とクダを撒きながらも移動の準備にかかる。 |
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そうだ、第二章は終わったのだ。そして、トリー・ボッターはまだ生きている。魔物たちは体に残ったガスをげっぷのように火にしながら立ち上がる。トリー・ボッターは見たことのない光景をしっかり目に焼き付ける。 |
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なぜそんなに元気なのか。なぜそんなにアホなのか。それぞれがお互いに顔を見合わせてそんなことを思う。そしてトリー・ボッターには答えがわかっている。だってすごく簡単なことだから。それは、君がいるからさ。 |
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だーっはっはっはっはっはっは
まだまだ全然平気ー!! |
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