2001年JalanJalan東京忘年会

副題 「トリー・ボッターと魔物の宿」

リー・ボッターは悩んでいた。2001年、21世紀最初の記念すべき希望の年が人々の期待に反して悲惨な大事件と世界不況という暗い幕開けとなったから、ではない。「トリーを日本語で読むと『鶏』、ボッターをマレー語で読むと『ハゲ』、君は本当はハゲ鶏なのさ」とエメラルド色のマントを着た見知らぬ連中に指摘されたから、でもない。今日が、JalanJalanの東京忘年会の当日だったからだ。幹事たちはいつも耳ざわりのよい招待状を送ってくる。今年はこんな風だ。「会社でも学校でも家庭でもいろいろと辛いこと、悩み事はあるけれど、一歩そこに足を踏み入れるとそこはすべてを忘れさせてくれる時空。今年も恒例、東京忘年会は脳みそをスポンジ状にした人たちが相も変わらず美味いもんを食って酒飲んで歌って踊って咆哮して昇天していく現代のプチ竜宮城です。さあ、あなたも扉を開けて御覧なさい。」 でも、実はそれがマヤカシであることをトリー・ボッターは知っている。だってもう5年も続けて魔物たちに食べられてしまっているのだから。今年もまた生きて帰れないかもしれない。だけど、それでも、トリー・ボッターは行かなくてはならない。魔物が棲むという宿に。そして、新しい物語は始まった・・・・



第一章 (新宿 鳥一)


2001年12月29日、新宿西口、入り組んだビル街の一角。鉄柵に囲まれたおどろおどろしい地下室は、すでに宴の開始を今か遅しと待つ魔物たちのどよめきに支配されていた。総勢はトリー・ボッターを含めて27人。毎年参加している古参魔物もいれば、今年初めて参加する新参もいる。宴の仕切りは魔物界の女王tomo、巨大魔物ぷよ、そして一定量の魔酒を越えると爆発するひさぞう。寒い時期にはこの上ない鶏のチゲ鍋や八丁味噌鍋の他、鶏を中心にしたご馳走や美酒がふんだんに振舞われ、みな火を吐いたりしながら歓喜の声を上げた。凍えていた体は次第に溶解し、空腹は満たされ、宴の盛り上がりに向けて準備万端となっていくのであった。



21世紀最初の「はじめまして」の登場人物たち

33歳独身横浜在住、彼女募集中の元気な魔物、kana。初参加とは思えない乗りのよさで一気に溶け込む。 マレーシア、シンガポール経験有りのダイバー。
幹事魔物ひさぞうの元同級生、しゃかもと。 ひさぞうに翻弄されながらも独特の雰囲気と存在感を持って生きる不思議な魅力の新キャラ。
アジアンスクエアでの日本酒談義で脚光を浴びたおゆき。 愛媛から参加。F1とダイビングが趣味で、日本酒と演歌をこよなく愛する。独身彼氏募集中。
  マレーシア、シンガポール旅行を計画、忘年会に参加した村井。宝くじを当てて会社を辞め、世界旅行が夢というマグル(人間)のような魔物。     ジョホール・バル在住、在馬10年のまい。日系企業、日本人学校を経て現在マグルの政府機関に勤務。マレーシアで働きたい人には就職相談も可。  

 


おなじみ&久しぶりの登場人物たち

写真左からお年頃恋人募集中の魔物、ぴよりん(左)&あこ(中)と慢性恋人欲しい病のぷよぷよ仮面。次は貫禄十分大家ずの一人かねちんとマレーシア時代と見違えてすっきりした幹事tomo。その隣、新婚魔物さやぞう(左)とマレーシアから帰任となった不動。一番右がシンガポールフリーク、なおこ。しばらくご無沙汰だが今年はシンガポール、マレーシア復帰を期する。
左から静岡在住の大道芸人魔物、ひさぞう。高危険度の魔物。次はマタハリでは珍しい美少年魔物がお。その隣が「絶対素顔を明かさない謎の魔物」ミチミチ。最後がtomoとMLのお世話をしてくれるつるかめ
これも左から、見るからに堅気じゃないすけさん。大家ずの一人。そしてその隣、今年も登場、不思議キャラのターザン(左)と愛人魔物募集中のF1フリークきくちゃん。一番右がひさぞうとニッポンの真面目企業戦士きんきち
写真左からkatsu改めかっちゃん(左)とふれいあ。その隣はふれいあの同僚でもあるくまのみ(左)と存在感溢れる魅力キャラ親分。最後が車椅子冒険魔物、にょろろん。今回は久しぶりの参加で子分魔物kanaに慕われる。
料理はどんどん、話もどんどん盛り上がり、早くも魔物の宿は、ひたすら食うもの、とにかく飲むもの、無意味に動き回るもの、真剣に話し込むもの、大笑いして止まらないもの、などなど自分勝手に思い思いに振舞う魔物たちの熱気でむせ返るようであった。そんな魔物たちの不思議な生態をトリー・ボッターも魔物たちに紛れ、楽しく観察している。その中からトリー・ボッターの記憶に残った面白い事件をいくつか紹介してみよう。

 

トリー・ボッターが遭遇した事件

 

営業魔物の生態 「ターザンのちょっといいですかぁ?」

スマッシュNO.1汗と青春の魔物 「かっちゃん&ふれいあの座敷の上では平気なの」

魔物の宿の粋なはからい 「にょろろんのスポットライトは僕」

 

普段は様々な魔物界の世事に追われる連中も、この夜ばかりは気の置けない同族たちと旧交を温め、楽しむ。そして21世紀、2002年もお気楽で腹から笑えるいい年になるといいなぁと叫びながらまだまだ夜は続いていくのであった。

 

 

 

そして第二章

だーっはっはっはっはっはっは
トリー・ボッター、まだまだ全然平気ー!!

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