2002年
2月17日(日)号
Sunday, February 17, 2002
ここ一番の
Nistrans

KL日本人会ソフトボールリーグ第6戦は、チャイニーズニューイヤー週間最終日となる2月17日、優勝候補の一角、古豪トーメンとの間で行われた。トーメンとは昨シーズンでA、B両リーグ準優勝同士の順位決定戦を戦い、両チーム互角の7対7引き分け、同率3位を分け合ったまま決着が付いていない。(写真右は昨シーズン、対トーメン戦翌日のJJスポーツの紙面。クリック拡大可) そして、両チームとも今季ここまで5戦全勝土付かず同士。まさにJalanJalanにとってこの試合が今季のリーグの行方を占う天王山となったのである。JalanJalanはこの試合、平常心で望むために通常の集合時間を15分繰り上げ、キャッチボールやトスバッティングなどウォーミングアップに充分な時間を取り、さらにそれぞれの気持ちを落ち着かせるために試合前のミーティングも持った。選手一人一人が今日の決戦の重要性を自覚しているだけに試合前から緊張が走っている。この緊張をうまくパワーに転化していくことが要求されるのだ。整列までにメンバーはそれぞれの方法で精神集中し、いい形でプレイボールに入ったと言えるだろう。試合は先攻のトーメンの先取点で始まり、終始JalanJalanが追いかける展開。トーメンは足を活かした機動野球を身上とし、この試合でも10点失点を覚悟していたJalanJalanだが、5回表トーメン攻撃終了時には13対7とすでに厳しい点差。しかし、5回裏一挙8点を挙げたJalanJalanは試合をひっくり返し、最終回裏も2点ビハインドを同点に戻すなど、両チームとも全く譲らぬしぶとさで時間切れ引き分けとなった。
ゲームセット後の整列では力を出し切った両チームメンバーがお互いの健闘を称え合い、そして次回での決着を誓い合うのであった。
この試合、引き分けとなったことで、両チームとも5勝1分と同率のままだが、この段階で得失点差でトーメンを大きくリードしているJalanJalanが事実上、リーグ単独首位の座をキープ。リーグ優勝に向けて大きな前進を果たした。



この試合は天王山ということもあり、久しぶりにマタハリ3女王が応援に駆けつけた。とがりは自チームの強さに自信ありか、グラウンドに頼りなく茂る雑草を見て「Junさんの頭のよう」と試合前から余裕。日本から久々参加のtomoマネージャーは自分の体験したことのないチームの強さに驚きの声を上げる。はらまきも元選手のまさのりとともに観戦、きわどい試合展開に手に汗を握る。

試合終了後、直ちにダマンサラプレスセンターにて行われたMVP選考会では、参加選手全員の健闘を称えながらも、最終回裏、2死3塁16対17、JalanJalan1点ビハインドの場面で起死回生の同点打をレフト前に放ち、JalanJalanリーグ単独首位の立役者となった櫻井が満場一致でMVPに輝いた。櫻井のMVP獲得は今季初。

JalanJalan vs トーメン (02/2/17)
チーム名 1 2 3 4 5 6 7 合 計
トーメン 2 3 0 5 3 4   17
JalanJalan 0 3 2 2 8 2   17

1回表、トーメンはヒットと足を活かして順当に先取点。その裏のJalanJalanは三者凡退で嫌な空気が広がる。さらに2回表もトーメン3点本塁打で一挙に0対5となったが、その裏、梅原殊勲のヒットで3点を返し、流れが一方的になるのを食い止めた。その後点差を縮めながらも4回表にはトーメンに連打を許し、5回表までに6点差をつけられる。その裏の攻撃に望みを託すJalanJalanは、3番志村からこの試合両チーム通じて初めての打者一巡で8点を挙げ逆転。6回表、2点差を守れば勝ちゲームだったが、強豪トーメンもしぶとく更に4点を返し、逆に2点差をつけられる。その裏、1点を返し、二死三塁の土壇場、櫻井が同点に戻す起死回生のヒットで試合を振り出しに戻す。更に小澤がヒットでつなぎ、一打逆転サヨナラの場面で3番志村に回ったが惜しくも凡退、17対17という激しい試合はゲームセットとなった。



対トーメン戦のJJ打線

櫻井 小澤 志村 松原 宮田

池内 相馬 櫛山 梅原 山下
一元
カズ
ユータ
ユージン
有賀

守備 選手名 打数 安打 本塁打 四死球 盗塁 通算打率
1 中堅 桜井 4 2 1 0 0 630(27-17)
2 三塁 小澤 3 2 0 0 0 619(21-13)
2 三塁 ユータ 2 1 0 0 0 500 ( 2- 1)
3 遊撃 志村 3 1 0 0 0 696(23-16)
4 左翼 松原 3 3 0 1 0 684(19-13)
5 右翼 宮田 4 1 0 0 0 500(22-11)
6 捕手 池内 2 1 0 0 0 583(12- 7)
6 捕手 カズ 0 0 0 0 0 000( 1- 0)
7 二塁 相馬 0 0 0 0 0 000( 2- 0)
7 二塁 一元 0 0 0 0 0 286( 7- 2)
7 二塁 山下 1 1 0 0 0 1000( 3- 3)
7 二塁 有賀 1 0 0 0 0 364(11- 4)
8 一塁 櫛山 1 1 0 0 0 636(11- 7)
8 一塁 ユージン 1 1 0 0 0 1000( 1- 1)
9 投手 梅原 4 2 0 0 0 636(22-14)
この試合は今季最多の15人が試合に出場。全員の総力で粘り抜いたドローだ。守備でも本塁タッチアウト(写真上:志村へのショートゴロでサードランナー飛び出す)、カズによる二盗殺、相手保守の落球を誘うユージンの殺人タックルによる本塁生還など記録に残らない美技が数多く出たゲームでもあった。


覚えましたよ、名前。志村選手ですね。まあ、本人は不本意でしょうが強烈な印象を残してくれました。しかし、こういうこともある。あまり引きずらないで次、頑張ればいいんです。現役時代の原監督がよくやりましたね。勝負どころのポップフライ。あれはバット叩き折りたくなるほど悔しいんですね。まあ、そういうこともある、と割り切ってさっさと酒飲んで忘れちゃうことです。僕は、現役時代、なかったですね、そういうこと。人一倍勝負強かったですから。打ってましたね、僕なら。ま、忘れることですね。え?お前が一番ひつこい?あー、そうですね。いつの間にか蒸し返してましたね。でも右の写真見てください。よく現役時代の原監督がロッカールームでやってました。あ、もういいですね。さて、ゲームの方は壮絶でした。実はこのゲームを見ながら私は、JalanJalanの各選手は精神的に大きな成長をしたなと唸っていました。チームが劣勢にあっても決して諦めない。自分たちは負けないんだ、負けるはずがないという気持ちが伝わってくるんですよ。それはね、チーム内の自分以外の選手も信頼していないと、そういう気持ちは出てこないんですね。これがすごい。振り切っても振り切っても食いついてくる姿にトーメンもかなり怖い思いをしていたとわかりましたよ。トーメンにもJalanJalanにもエラーはありました。お互いにいつもよりは固くなっていたのでしょう。しかし、JalanJalanは試合前からトーメンにプレッシャーを与えていました。巌流島の武蔵ではないですが、グラウンドにやってくるとすでに全員勢ぞろいでシートバッティングしているJalanJalanの姿を見る、これは大きく気後れするものです。逆にJalanJalanは余裕を持ってゲームに望んだ。相手をよく見ていたから相手のレフト、センターにはほとんど仕事をさせなかった。ん〜円熟味すら増して来ましたね。後は無心、油断せずに常に自分たちのソフトボールを続けることです。


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