おめでとう!マレーシアチーム
第26回さっぽろ国際雪像コンクール準優勝

2月4日から11日までさっぽろ雪まつりが開催された。1950年 に始まったこの冬の祭典は今年で50回目を迎え、普段の展示に加えて、花火大会やコ ンサートなど様々な記念イベントが開かれた。地元の中高生が作った雪像6基だけで 始まったのが、年々数が増え、今年は高さ15mの大雪像4基と大氷像2基を含めて全部 で328基の雪氷像が大通り公園、真駒内、すすきのの三会場に並べられた。述べ3500 人の自衛隊員がおよそ1ヶ月の時間をかけて作った「鰊御殿と北前船」、北海道の動 物達を題材にした「北の動物たち」、シンガポールのヴィクトリア・メモリアル・ホ ールなどの大雪像の間に市民が一生懸命作った市民雪像が彩りを加える。夜は赤や黄 色、緑など様々な光でライトアップされて本当にきれい。

その大通り公園を西に歩くこと15分(と言っても慣れない雪道で足をとられるから 15分ではいけなかったりするんだけど)、西11丁目にある国際広場では「第26 回国際雪像コンクール」が開かれ、世界各国から集められた20チームの精鋭達がそ の技を競いあった。高さ3.5m、幅3m、奥行き3mの雪のブロックをぴったり3 6時間で芸術作品に仕上げなければならない。

今回マレーシアから参加したのはリーダーのジ ャフリ、ジョン、テッド、ハルンの4人。みんな有名ホテルで氷細工を作っているプ ロのアーティスト・シェフだ。ジャフリとジョンは7回目、テッドとハルンは3回目 の参加になる。マレーシアチームは1992年からコンクールに参加(1977年か ら83年までも参加していたが、日本人の傭兵部隊だったらしい・・・。)、199 4年にBグルーブ(優勝未経験グループ)で優勝し、まだAグループ(優勝経験グル ープ)では優勝の経験がない。昨年4番目になったが、今年こそは優勝を、と堅く誓 い合ってやって来た。

今年の題材は「ガルーダ」、と言ってもインドネシアのガルーダではなく、ランカウ イ島の伝説に出てくる半人半鳥の怪物。中国の王女とランカウイの王子との結婚に反 対し、中国まで飛んで王女をさらって来るガルーダの姿を雪像にした。マレーシアか ら持ってきたデッサン画をもとにそれぞれが彫刻刀やノミの化け物、スコップなどを 手に彫り上げていく。朝9時から夜9時まで、お昼もそこそこに作業に打ち込む彼らに 、通りがかりの観客からも暖かい声援が送られる。

 

会場の一角に設置されたログハウス。コンクールの参加者やスタッフが休憩したりご 飯を食べたりする場所だ。参加チームがそれぞれボランティアで自国の料理を作って 他の参加者に振る舞ったりも。マレーシアチームが作ったナシゴレンはあっというま に売り切れた。テッドがログハウスで休んでいるとハワイチームから声がかかる。無 理な姿勢で作業をしていたせいですっかり痛くなった肩や背中をマッサージしてもら う。テッド絶叫。でも終わった後で「痛かったけど肩はすっかり軽くなったよ。 」

夜8時半。今日の作業終了まであと30分。粉雪がちらつき-7度まで下がった気温の中 で、作業をする手にはさらに熱がこもる。大通り公園にはさらに人通りが増え、一つ 一つの雪像の前で歓声をあげる。





2月7日(日)、午後1時全作業終了。4時から結果発表と表彰式が行われた。Bグル ープの準優勝、優勝、Aグループの3位、2位、1位と順番に発表されて行く。そし てついにAグループ準優勝の発表。じゃ〜ん、だらだらだらと楽団の音が鳴り響く中 、日本語と英語のアナウンサーの声が響き渡る。「マレーシア!!!」会場の大きな 拍手に包まれて、ブロンズを受け取るジャフリ。優勝は逃したものの(香港が2年連 続優勝)、満足げな表情で「来年は香港をしのぐ作品を作りたい」と闘志を 見せた。

お疲れさまでした!そして来年も頑張ってね。


ジャフリ、ジョン、ズルカフリ(マレーシア政府観光局)、ハル ン、テッド

(レポート by とがり)


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