特集!クアラルンプール新国際空港開港!

アラルンプールの南東65km、セランゴール州セパンに94年暮れから工事が進められてきた新国際空港が、いよいよ6月30日午前零時に開港を迎えようとしている。アジアではほぼ同時期にオープンする香港の新空港をはじめ、タイ、韓国と相次いで新空港計画が進んでいるが、それらに先駆け、アジアNo.1、世界でも指折りのハブ空港を最終目標とした「Kuala Lumpur International Airport」が今華やかにオープンする。



界的に有名な建築家、黒川紀章氏の基本設計により建てられた新空港。コンセプトは「最新の技術とマレーシアの固有性の共生」。それはハイテクな造形とイスラミックな空間を思わせるデザインに顕著にあらわれている。出発ターミナルの天井、柱はさながら椰子林を連想させるが、そこには最先端の工法が用いられ、約40m離れた柱の間にはたたみ900畳分もの空間が確保されており、天井は全て直線の鋼材を組み合わせながらも見事な曲線に見える。また全ての床面に敷き詰められている国産の御影石にもマレーシアの固有性は表れており、5色の御影石は見事なアラベスク文様を描いている。そして"キーワード"となった「森と共生する空港」は、ターミナル内随所で見られる大きなガラス張りの壁面から臨む熱帯雨林によって表現されており、乗客にゆったりとした安らぎを与えている。
この空港は単にアジアのハブ空港を目指しているだけでなく、マレーシアが提唱中のMSC(マルチメディア・スーパーコリドー)の一端を担い、新行政都市「プトラジャヤ」、インテリジェント・デジタル都市「サイバージャヤ」と世界を結ぶ、21世紀の「世界の情報通信ハブ」のゲートとなっていく。



JalanJalanは現地に5回程行く機会を得たが、今回オープンしたターミナルビルは現行スバン空港に比べるとはるかに大きいものの、成田、関空と比較すると大差ないというのが実感。旅客のルートもとても簡潔に設計されているので、初めてでも戸惑うことはほとんどないでしょう。ご安心あれ。
それでは、空港内施設を入出国手続きの手順に沿って簡単にご紹介しましょう。


※このイラストは全日空KL支店の企画により、第一企画(M)にて制作されたものです。
(Copyright 1998 All Nippon Airways)


5階(出発ロビー)
@シンガポール線
チェックインカウンター
L、M
メインターミナルビル5階にある一辺240mの正方形をした出発ロビーにはA〜Mまでの12個のチェックインカウンターが6つのブロックに分かれており、A、Bが国内線、C〜Kが国際線、L、Mがシンガポール線となっている。トータル186ヶ所の個別カウンターがあり、最新システムにより乗客一人当たり75秒でのチェックイン処理を目指す。 気付きましたか? I(アイ)のカウンターはありません。なぜ? 数字の1に見えるからだって。
A国際線
チェックインカウンター
C、D、E、F、G、H、J、K
B国内線
チェックインカウンター
A、B
Cインフォメーションデスク


4階
D出国審査カウンター
(イミグレーション)
チェックインカウンターの奥にあるエスカレーターを降りると出国審査のカウンターが連なっている。ここは上階と吹き抜けになっており、上から眺める御影石のアラベスク文様がとても美しい。出国審査を終えたら、そのまま真っ直ぐに広い通路を進む。
Eエアロ・トレイン
(シャトル・トレイン)
通路を進むと大きな「十字路」に差し掛かる。両サイドには長いコンタクトピアが延び、正面には1km程離れた「サテライトビル」まで乗客を運ぶ「エアロ・トレイン」の乗り場が通路の両サイドにある。数分の乗車だが、車窓からは広い空港が見渡せる。成田空港のシャトル・トレインよりも速いので要注意。
F国内線(一部国際線)
出発・到着ゲート
エアロトレイン乗り場から両サイドにのびるコンタクトピアは全長900mに及ぶ。「終点」が見渡せない程の長いウィングには20ヶ所のゲートがあり、シンガポール便、国内線及び一部国際線が横付けされる。尚、日本便はこのコンタクトピアにはつきません。
-Gここから到着ロビーへサテライトビルからエアロトレインにてメインターミナルに到着された乗客は、トレイン降車後、入国手続きの為、正面のエスカレーターにて3階の到着ロビーに降ります。
-H乗り継ぎ(トランジット)
カウンターへ
国内線、国際線乗り継ぎの方は、エアロトレイン降車後、ホームの裏側に回り込んだ所にあるエスカレーターにて3階にあるトランジットカウンターへ向かってください。上記Gの到着ロビーに降りるエスカレーターでは行けないのでご注意を。


サテライト・ビルディング
-国際線専用サテライトエアロ・トレインを降りると十文字にウィングが延びるサテライトビルに到着する。乗降ゲートは26ヶ所あり、日本便も全てここからの離発着となる。中央部には360度ガラスに囲まれた「中庭」(写真)があり、植物園の温室を思わせる。各航空会社のラウンジもここにあり、また出発前のお買い物もここでとなる。


3階(到着ロビー)
I入国審査カウンター
(イミグレーション)
幅200m程のホールに69ヶ所の入国審査カウンターが並んでいます。新規導入システムにより一人当たり75秒で入国審査を処理する。スバン空港の難点がこのイミグレでの待ち時間だっただけにここの迅速さには期待したい。
J手荷物受取所入国審査を済ませ、通路を真っ直ぐに進むと手荷物受取所の広いスペースに入る。12個のベルトコンベアがあり、右側3つが国内線、中央のロングベルトを含めた9つが国際線用となっている。やはり最新システムにより、機内からここまで10分で荷物が運び込まれることになっている。モニターで自分の荷物が出ているコンベアを確認してA〜Mまでの表示コンベアに進みましょう。
-K税関(カスタム)荷物を受け取った後はいずこも同じ、税関にて荷物チェック。26ヶ所のカウンターがあり、迅速な通関処理を目指します。今まで通り、マレーシアはお酒一本、タバコ1カートンまでですのでご注意を。日本ではごく普通の週刊誌でもグラビアで肌を露出した女性が写っていると取り上げられますよ〜。
L到着ロビー出口
ここでご対面!
税関を過ぎると両サイドに通路が分かれていますが、どちらを抜けても先で合流します。合流地点の大きなガラス張りの出口を出れば、そこが到着ホール。やっと出迎えの方とのご対面!今までのように手荷物受け取り所、税関の所は出迎えの方からは見えません。その代わり(?)、これからは冷房の効いたホール内で到着される大事な人をゆっくりと待つことができます。乗客が出てくる所は一ヶ所ですので、待ち合わせは楽でしょう。

その他の情報
エアポートホテル
(パン・パシフィック)

TEL: 60-8-7873333
メインターミナルに隣接して建てられた「The Pan Pacific Hotel」はすでに6月23日から営業を開始しており、市内から空港が離れているため、今まで以上のトランジット需要を見込んでいる。大まかなタイプの室料は以下の通り。

Room Rate Double(税込み)
 Superior    RM 520 (RM230)
 Deluxe     RM 510 (RM230)
 Junior Suite  RM 850 (RM425)
 Deluxe Suite  RM1,650 (RM825)
※括弧内の料金は8月末までのオープン記念価格。(1RM=約37円で換算して下さい)
コントロール・タワー
(管制塔)
ターミナルビルの外側には高さ118mの巨大な管制塔がそびえ立つ。そのスラっとした外観から「スリム・レディ」のニックネームを付けられた管制塔は、KLIAのランドマークになっている。ここにも世界最先端の管制システムが取り入れられ、年間2,500万人の安全な航行をサポートしていく。

交通手段当初予定されていた市内と空港を結ぶ高速列車運行は2000年の開業を目指しており、取りあえずは車、バス、タクシーが市内への交通手段となる。

・タクシー
  (空港→KL市内)  RM65
  (KL市内→空港)  RM55

・リムジンタクシー
  (空港→KL市内)  RM88
  (KL市内→空港)  RM66
・リムジンバス
  (空港⇔KL市内)  RM25
※バスのKL市内発着はJalan Dutaのトゥン・ラザック・ホッケー場前
駐車場メインターミナルビルに隣接して7階建ての屋内駐車場があり、6,320台の駐車スペースが確保されている。2階にある連絡橋からターミナルビルにそのままアクセスできる。料金はやや高めで1時間当たりRM3.70。また屋外駐車場もあり、こちらは6時間でRM8.40と近隣出張者向けの料金設定となっている。




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