KLIAエクスプレス開通!
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KLセントラル駅 → KLIA 編
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2002年4月19日、KLIA(クアラルンプール国際空港)とKLセントラル駅(クアラルンプール市内)を結ぶ特急列車が開通した。KLIAはKL市内から約70km。東京―成田空港とほぼ変わらぬ距離をハイウェイを使って飛ばしても市内の混み具合によっては50分から1時間を要し、「きれいででかいけど遠くて不便」という評判が市民や旅行者からも聞かれるエアポートだった。空港開港当時から空港と市内を結ぶ列車の計画は進んでおり、待たれていた開通が今ようやく実現したわけだ。これは早速、利用体験レポートを載せねばなるまいと、JalanJalanは、真新しいKLセントラル駅に向かったのである。新駅は旧KL中央駅から程近いブリックフィールドにある。車利用のほか、もちろんLRTでアクセスすることもできる。 |
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広いエントランスを一歩入ると、一瞬そこはすでにKLIAかと錯覚する。高い天井と美しい内装の近代的な駅だ。入口のそばには構内のダイレクションを示す標識が立っているので、迷わない。(写真左) そして、表示はマレー語と日本語。英語や自国を構成する人種言語である中国語やインド語をすっ飛ばして、マレー語の次が日本語というところがすごい。マレーシアがいかに日本人旅行者に高いプライオリティを置いているかを証明するサインボードだ。(写真右) この指示に従うと、このまま中央に進んで、エスカレーターを下りればKTM、LRT、そしてKLIAエクスプレスの乗り場があると言うわけだ。
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入口正面、中央に下りのエスカレーターがある。広々とした空間を眺めながら、このエスカレーターを下りていく。 |
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エスカレーターを下りるとすぐ左側にKTMの改札口がある。(写真左) コンコースの中央にはインフォメーションカウンターもあって、案内係がいるので安心。KTMの改札を左に見ながらそのまままっすぐ進むと、すぐに右側にLRTの改札口が見えてくる。(写真右) ここからKL市内、近郊へのアクセスは万全。LRTもそのままやり過ごし、まっすぐ進むと突き当たり。ここを右に曲がると、いよいよKLIAエクスプレスのエリアだ。 |
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突き当りを曲がったところから見渡せる景色。(写真左) この辺りには大きなスーツケースを旅行客も見えてくる。そのまま進むと見えてくる表示には、「手荷物チェックインカウンター」とある。(写真右) そうなのだ、ありがたいことに、ここではマレーシア航空に限り、手荷物のチェックインと搭乗手続きを済ませてしまうことができるのだ。 |
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歩いていくと左側に見えてくるのが、乗車券売り場。(写真左) 窓口で購入することもできるし、窓口の右の壁にずらっと並んでいる自動発券機で購入することも可。片道、往復を選ぶボタンだけだから、こちらで買う方が簡単で早い。現金購入用の他、クレジットカード用のマシンもあり、キャッシュの少ない旅行者にも便利。料金は片道RM35。往復ボタンを押す場合は、RM70を入れればよい。(写真右)
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まだ、慣れないお客さんも多いので、案内係がすかさず近寄ってきて親切に手順を教えてくれる。(写真左) この至れり尽くせりは、本当にマレーシアか?とこちらがどぎまぎする。この乗車券売り場の真向かいに、手荷物チェックインカウンターがある。(写真右) ここでチェックインを済ませてしまえば、あとは空港のイミグレーションまで手ぶらでスイスイというシステムだ。但し、荷物の輸送などの時間を見て、事前チェックインができるのは、出発時刻の2時間前まで。出発まで2時間を切っている場合は、そのまま手荷物を列車に載せ、KLIAでのチェックインとなる。それでもここから空港のチェックインカウンターまでの「歩行距離」はほとんどないので、事前チェックインしなくても、全然問題なし。
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改札口を通ってすぐのエスカレーターを下りると、ホームにはエクスプレスが待っている。(写真左) 複雑で歩行距離の長い日本の駅に慣れていると、あんまりあっけなく簡単で感動してしまう。これが「便利」の基本だな。当たり前だが、列車は新車で内外とも美しい。乗車ドアのすぐ横、また座席の途中にも荷物置き場があって、大きなバゲージでも楽々だ。(写真右)
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まだ、利用客も少なく、新車の匂いのする車内は、ガラガラだ。(写真左) 向かい合わせの4人用座席に一人で陣取り、足を伸ばすと「こりゃあ、楽だ」と声が出る。試してごらん、きっと出るよ。列車は15分おきに出ているので、まもなく発車となる。音もなく滑り出すと徐々に加速し、車窓の景色が高速で流れ始める。右側にすぐに見えてくるのが、ミッドバレー・メガモール。(写真右)
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しばらくKLの町並みを見ながら走ると、緑の丘陵地帯や椰子林が続く。そして、すぐに南北ハイウェイに並び、車の列を追い抜いていく。(写真左) 発車してから20分過ぎ、まだ車窓の景色に見飽きないうちにKLIA駅到着のアナウンスが流れる。右側には、あの女性的なシェイプ、KLIAの管制塔が見えてきて「えっ、もう?」と声が出る。見ててごらん、きっと出るよ。そして、所要時間28分、エクスプレスは見事な速さと快適さで、KLIA出発ロビーの真下に滑り込んで行ったのであった。
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ドアが開いて、ホームに降り立つと、そこにはガラス張りのエレベーター。(写真左) そのままそのエレベーターに飛び乗って、出発ロビーの5階のボタンを押せば、それで終わり。降りたところは、もうチェックインカウンターのまん前なのである。(写真右) 「空港駅」などと言っても、階段やらエスカレーターやら、荷物を持ったまま散々長い道のりを歩かされる日本のアクセスと違って、マンガのような簡単さ。早い、安い、快適。これは旅行者にとって強力な移動モードになりそうだ。マレーシア、久々の超ヒット。
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