1998年
11月17日(火)
日刊JJスポーツ新聞社
Petaling Jaya
1997第三種郵便物認可
得点を許さないファインプレー、バントヒット、ホームラン、盗塁と、黄金の足で稼ぎまくった野口が第2回戦MVPを獲得!
11月15日、JalanJalanの今季2試合目は、在馬日本大使館を中心とした「お役所関係チーム」3Jsを相手に行われた。折しもマレーシアはAPECの最中。対戦相手は苦しいお家事情だが、開幕戦をMECOMで落とし一刻も早く両目を開けたいJalanJalanにはそれを慮る余裕などない。ダブルヘッダーの1試合目を終わり、身体を休める3Jsナインの前で、気合いの入ったウォーミングアップが繰り広げられた。この試合監督代行となったJun主将の合図で集合した選手たちに先発メンバーが発表される。しかし、Jun監督代行の目には気合いが入りすぎ、上気した選手たちの顔が映った。(いかんっ、力が入りすぎて堅くなっている・・・)息をのんで耳を傾ける選手たちにスタメンは発表された。「1番、ピッチャー、カオバル!」・・・・「おらへん、おらへん」・・・・すかさず、よりてるのマのいいツッコミが入り、一同からドーッというため息が漏れ、笑顔が戻る。(よかった、力が抜けてこれでいつもの試合ができる)彼らの顔を見て監督代行は今日の勝利をすでに確信していたのであった。
JalanJalan vs スリーJs (98/11/15)
チーム名1234567合 計
スリーJs02001003
JalanJalan150310x10
初回表を幸先よく無得点に抑えたJalanJalan、その裏、センター野口の足が火を噴く。意表を突いたバントが3塁線に転がる。しかし、サードが捕球したときにはすでに1塁ベースを駆け抜けている俊足野口。1塁送球もできない。さすがに早稲田大学ラグビー部スクラムハーフでその足に保険金がかけられた怪物だ。そしてしばらく当たりの止まっていたキャッチャー・カズのタイムリーで野口楽々生還。続く2回裏は、再び野口のホームランを含む連続長短打で一気に5点、ゲームを優勢のうちに運んでいく。今日のエースぷよは、プライベートでの好調で気持ちが乗っているのか、甘いコースを外野に運ばれながらも野口、ユータの好守、内野のゲッツーなどに助けられ、要所要所を難なく締めた。


守備選手名打 数安 打本塁打打 点四死球盗塁
1遊撃よりてる310100
1遊撃松原100000
2中堅野口441201
3三塁笹木430100
4左翼ゆーた310010
5捕手カズ431300
6右翼TOM300000
6右翼ゆーじん100000
7二塁田中430000
8一塁仲田320000
8一塁佐藤100000
9投手ぷよ420100
圧巻だったのは3回表、ぷよの内角球がレフトに高々と運ばれた場面。抜ければ間違いなくホームランという打球をユータが俊足を飛ばしてジャンプ。しかし、打球はグラブをはじき、フィールドへ。ところがなんと野口がもうそのバックアップに追いついている。球をすくい上げると、矢のような送球をセカンドへ。1塁ベースを大きく回っていた敵打者は、慌てて1塁へ戻る。あの打球、飛距離で2塁を落とせない打者走者とベンチは呆然となる。さらに試合後半に入ると、疲れと焦りもあって3Jsの打線は次第に淡泊になり、体重の乗った重い「はんさむまきう」をなかなか芯でミートできない。外野フライや内野フライを打ち重ねる。こうなるとまったくJalanJalanのペース。今日好調の野口、カズ、ピート田中らが安打を稼ぎ、4、5回と中押しの得点で試合を決定づけていった。
最後は、よりてるに代わったショート松原、セカンドのピート田中から佐藤に亘る6−4−3の絵に描いたようなダブルプレーでゲームセット。今季から加入したコンビがソフトボールでは難しいゲッツーの見せ場で締めくくった。試合終了のコールと共に、「あれっ、結局Jun主将は出場しなかったんですね?」と今月帰国が決まったtomoマネージャーから声がかかる。「しまった!自分を出すのを忘れてたっ」・・・。こんな楽しそうな試合に出れなかったなんて〜。実は初めての監督代行で力が入りすぎてコチコチになっていた監督代行は、(もう1回最初からやろー!)と心の中で叫んでいた。


守備のレベルに打線が追いついていない。結局攻撃の詰めが甘く、きっちりとコールドで勝てないのだ。打者は総じて身体の開きが早いから左に引っかける。センター返し、もしくは右に押っつけようとしても身体が先に開いているからポップフライになる。これでずいぶんと損をしているのだ。長打は外野の頭を越さなくてもしっかりとミートして内野の足元を抜けば意外に簡単に出るものだ。特に今回のような緩い球を持ち球にする投手相手では尚更身体の開きに注意しなくてはならない。せっかくの初勝利に水を差すようだが、19安打で10点はいかにもお寒い。スコアリングポジションにランナーがいるとき、これをどう帰すか、当たればメッケモンのバッティングからもうそろそろ卒業してもいい頃じゃないか?




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