1998年
11月2日(月)
日刊JJスポーツ新聞社
Petaling Jaya
1997第三種郵便物認可
幸か不幸か2年連続優勝、昨年も実力の違いを見せつけた古豪メコムに開幕戦で激突したJalanJalan。随所に見せ場はつくったものの、総合力では及ばなかった。
開幕戦独特の緊張感が試合前の円陣の中に漂っていた。先発を言い渡された選手の返事もどこかぎこちない。この日JalanJalanと対戦するMECOMにはWヘッダーが組まれており、その一試合目をJalanJalanの選手全員がウォーミングアップしながら観戦していた。今まで対戦したどの相手よりも緻密なプレーをし、淡々と得点を重ねていく。「やっぱり強いな」と誰もがその実力を認めていただろう。結果はMECOMの圧勝。昨年19位のWIRAを全く寄せ付けず、14−1のコールド勝ちであっさり一試合目を終えた。ミスのない野球をやらねば到底勝ち目はない。気合いのこもった主将のかけ声と共に円陣はとかれ、強豪MECOMと一列に向かい合った。そして今年最初の「プレーボール」が告げられ、JalanJalanの2年目がスタートを切った。
JalanJalan vs MECOM (98/10/11)
チーム名1234567合 計
JalanJalan0700007
MECOM20680X16
初回いきなり相手のエラーにつけ込み、一死満塁まで持ち込むも後続を断たれ無得点。しかし、試合前の緊張感が動きの固さには繋がっていない。この当たりに2年目を迎えた"成長ぶり"を垣間見た。いい出だしと言っていいだろう。しかしその裏エースぷよの立ち上がりを突かれ、2点の先取を許す。ついていなかった。ぷよのリズムをいきなり崩すようなアクシデントが初回MECOMの攻撃前に起きていた。


守備選手名打 数安 打本塁打四死球盗塁
1三塁笹木20020
2一塁佐藤31000
2一塁仲田00010
3投手ぷよ32000
3二塁松原00000
4左翼ゆーた31000
4左翼ゆーじん10000
5遊撃よりてる41000
6捕手かず20000
6捕手田中20000
7中堅野口30000
7(代)Mas10000
8右翼健さん10010
8右翼TOM10000
9二塁山下00000
9二塁よしさん11010
9二塁Jun10000
ぷよの投球練習中に相手監督から「投球時のセットアップが違法だ」とクレームがつけられ、審判と協議の結果、ぷよは投球フォームをいきなり変えなくてはならなくなった。投手にとって決して簡単なことではない。リズムを崩したエースはいつもの制球力を失い、あっさり先取点を許した。しかし、昨年最優秀選手に輝いたリーグNo.1の相手投手もこの日2試合目の投球に若干精彩を欠いていた。2回表のJalanJalanの攻撃、一死後に3連続四球で二度目の満塁。そして続く消極的に置きに来たような球はJalanJalanには通用しなかった。満塁から4つの長短打を連ね、あっと言う間に7点を奪取。王者MECOMが試合中に円陣を作る。こんな光景は見たことがないし、彼らが5点の先行を許したことも記憶にない。この"若僧達"が「番狂わせ」をするのではと誰もに思わせた瞬間だっただろう。
しかし、"見せ場"はここで終わった。
3回以降、立ち直った相手投手に僅か一安打に押さえ込まれ、反面、リズムを取り戻せないエースぷよは打ち込まれ、急遽送り込まれたJunも勢いに乗った王者打線を止めることはできなかった。試合規定時間を過ぎる熱戦は「時間切れコールド」という形で無造作に決着をつけられた。悔しい結果だが負けは負け。試合後、選手の間からは「強いとこ相手だと楽しいね」と声がこぼれた。"試合を楽しめる"余裕があれば、このチームの2年目は明るいだろう。新戦力として迎えたペナンのTOM、田中、松原も初戦いいところを見せた。総勢21人に膨らんだ若いチームをどう引っ張っていくか、首脳陣にとって贅沢な悩みが続きそうだ。


来シーズンはわしも監督業から足を洗うことにした。ということで、JalanJalanの戦いぶりを更にしっかりと見ていくので引き続きよろしく頼む。さて、初戦のMECOM。今季4連覇をねらう強豪相手に世間では「JalanJalanの善戦」などと言われているようだが、とんでもない。打線は後半から振りが大きくなり凡打を積み重ねたし、中継ぎのJun投手の球はことごとく甘いコースに入って連打を浴びた。けして善戦などではない完全な取りこぼしだ。しかし、そのスキを巧みについてチャンスを広げるMECOMの試合運びはさすがではあった。老練さが光る。ともあれ、力で劣るチームに後半競り負け、無駄な黒星を喫しているようでは、今季の優勝もおぼつかない。しっかりやれ。今季もビシビシ言わせてもらうぞ。




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