2001年
12月9日(日)号
技術力の結晶
Nippon Elec
 

 

 

日本人会ソフトボールリーグ第4回戦、JalanJalanは、先月苦戦した「マコタ」をすでに下している強豪アトムとの対戦を迎えた。今年最後、今シーズン前半の天王山とも言えるこの試合をJalanJalanは何としても押さえ、来年への勢いをつけたいところ。苦しい戦いになるかと思いきや、結果は圧倒的な打棒を見せたJJが20対3の大差で5回コールド勝ち。これで今季開幕から4試合中3試合をコールド勝ちという強さ。今季のJJは「打撃のチーム」として快進撃を続ける。


この日は朝から選手用のクーラーボックスへ入れる氷がなかなか入手できず、わざわざKL中心ブキッビンタンまで車を走らせ氷を求めてからグラウンド入りしたマネージャーの鑑、とがり。その思いが通じてか打棒爆発。思わずピース。陰の殊勲選手。

試合終了後、ダマンサラプレスセンターでは直ちに今日のMVP選考会が行なわれ、5の4、3本塁打で勝利に貢献した宮田選手が今季初のMVPに選ばれた。次点は腰痛を抱えながらの活躍に「感動した」とコメントが寄せられた松原選手。桜井、梅原が同得票数でその後に続いた。
宮田は1回から3回まで毎回ホームランでコールド勝ちを決定付ける立役者となった。もともと体格に恵まれた宮田はシュアなミートバッティングに併せて長打力も持っているが、今日はそれが爆発した格好。また宮田は悪球打ちでも有名で、マネージャーとがりからは「明訓の岩鬼」と呼ばれるほど。ピッチャーが勝負を避けて外したとんでもない球をホームランにされるのだから投げる球がない。心配なのは体力。スタンド入りのないホームランでは常に本塁までの全力疾走が課せられる。今後落ちる一方の体力をどう維持し、また技術でどうカバーしていくか、プレスセンター内でも宮田への期待は大きい。


JalanJalan vs アトム (01/12/9)
チーム名1234567合 計
アトム 01 0 11    3
JalanJalan 14 2 4 0 X     20
1回表をなんなく3社凡退に抑えリズムに乗ると、その裏打者三順目に入る記録的な連打で一挙14点を挙げ、アトムの戦意を削ぐ。3回表はノーアウト満塁から無得点に抑えるなど、守備にも堅牢さを発揮しながら、桜井、宮田の本塁打などで徐々にその差を広げていった。梅原も四球1つに抑えるなど緩急を交えた投球術にも安定感が表れ、敵の連打を許さなかった。



猛打爆発のJJ戦士たち

櫻井 小澤 志村 松原 櫛山

池内 一元 有賀 梅原

守備 選手名 打数 安打 本塁打 四死球 盗塁 通算打率
1 中堅 桜井 5 4 1 0 0 650(20-13)
2 三塁 小澤 4 2 0 0 0 572(14-8)
3 右翼 宮田 5 4 3 0 0 563(16-9)
4 遊撃 志村 3 1 0 0 0 750(16-12)
5 左翼 松原 3 3 1 0 0 583(12-7)
6 一塁 櫛山 3 2 0 0 0 600(10-6)
7 捕手 池内 3 2 0 0 0 572(7-4)
8 二塁 一元 1 0 0 0 0 333(6-2)
8 二塁 有賀 1 0 0 0 0 375(8-3)
9 投手 梅原 4 3 1 0 0 688(16-11)
松原の腰痛の程度を勘案し、今季初めてクリーンアップのオーダーを変更。初めて4番に志村を座らせ、宮田、松原で前後を固めたが、大きな影響は現れなかった。引き続き好調の1、2番コンビをクリーンアップで返す野球の常道、JJの勝ちパターン。また無安打に終わった一元、有賀の打撃もいい当りながら野手正面を突く不運なもの。打線は今ベストコンディションであると言える。

なんかこのコラムの前任の星野さん、阪神の監督に呼ばれて悩んでるんですって? 実は彼、「ワシも辞めるからあんたも辞めんか」って電話くれたんですね、監督辞任発表の前。まさか引き受けるんじゃないでしょうね。そんなことはどーでもいいですね。それより今日のゲーム、JalanJalanはすっかり攻撃型のチームとして生まれ変わりました。畳み込むようなつるべ打ち、これはビューティホーですね。そして一見ラインが細いように見受けられた梅原が安定感を持ってきた。ピッチングのリズムと野手のリズムがベストマッチングしているという印象です。そして今日3本塁打の宮田。グレートですね、彼40歳ですよ。ベースランニングでは途中よろけますけどね。そして同じ40歳、ぎっくり腰になりながら筋肉弛緩剤を注射して活躍の松原。この二人が5の4と3の3でホームラン4本。まさにヨロヨロギックリコンビがチームを引っ張って大勝したというゲームではなかったでしょうか。とにかく怪我に注意して長生きして欲しいですね。さて、今後の戦況ですが、こうして日替わりでMVPが誕生するとき、プロでもチームの状態はベストに近いと言えます。あとは大振りやラフなプレーで現在のいいリズムを崩さないよう、打撃も守備も一つ一つの積み重ねだということを常にイメージしながら戦っていくことですね。いや〜、強い、驚きました。

 



に戻る