広島旅行記(後編)
by にょろろん
その夜は魔性な夢にうなされる事もなく、ぐっすり眠れた。目が覚めると、外はいい天気、東京よりも陽射しも暖かそうだ。これも私の普段の行いが善いからだろう。
10時にロビーではらまき(会社に寄ってメールを読んで来たらしい)と待ち合わせして、部屋をチェックアウトして荷物を預けていざ出発。
しかし、はらまきの「あんたは少しでも身軽な方がいいから、身の回りの物は全部私に預けな」という甘いお言葉に乗せられてしまい、私の財布、クレジットカード、帰りの航空券まで彼女のリュックの中に収まってしまう。彼女とはぐれてしまったら東京へは戻れない、昨日初めて会ったのに恐ろしい事をしてしまった。
ということで、人質となったにょろろんとはらまきは、昨日見れなかった平和記念資料館へ向かい、昨日と同じく市電で原爆ドームまで行く。すると、なんとそこにはまた「ふかやまちん」が登場した。昨日は少ししか一緒にいられなかったからと、今日もまた来てくれるなんて、なんて心の細やかな人なんだろうと感激する。ちなみにふかやまちんは、甘えてみたいお姉さんタイプと言う感じの人だ。「この人に耳掃除をしてもらったら、どんなにか幸せな事だろう」と思った男は一人や二人ではないだろう。
私が初めて訪れる平和記念資料館は2人とも10年振り(?)位に来たそうで、中は以前より明るく、おどろおどろしくなくなったという感じだそうだ。入り口のすぐ奥には、原爆ドーム(広島県物産陳列館)の上の部分の原寸大(?)模型と、原爆が落ちる前、と落ちた後、の広島の街が模型で忠実に再現され、いかに破壊力が大きかったが一目瞭然でわかるしくみになっている。うーん、悲惨だったんだなあ、と当時を想像していると、はらまきの携帯電話が「ちゃらりらぴろりろり〜」と怪しげなメロディを発する。これには周りの客も注目である。その電話の主はあのkharで、今山陽自動車道を快調に飛ばしているようで(ダーリンの運転だけど)、何だかほっとした。無事にたどりつけよ、頑張れダーリン!
渡り廊下を渡ってもう一つの方には、焼けただれた人の人形や、人影が写ったレンガなどが展示されていた。中は暗く、ロンドンの「マダムタッソー蝋人形館」の地下に少し似ている。小学校の遠足などで来たら、さぞ衝撃的に違いない。原爆の話しは日本人なら誰でもならっているし、関東地方でも、どこの小学校にも「はだしのゲン」や「黒い雨」の本が置いてあったりするのは同じだが、想像以上に被害は悲惨なものだった。やっぱり広島に来たら一度は寄るべき所だと思う。などと記
帳して来たので、記念館の廊下のノートで、「11/9 井内直弘」の記帳を見た人はメール下さい(「にょろろん」っては書いてないぞ)。でも朝食抜きで朝一番に来るのはちょっとお勧め出来ないかな。
外で記念撮影して、ふかやまちんから、「レンジでチンする広島お好み焼き」というありがたいお土産を頂いて別れ、2人はタクシーでホテルに戻る。
すでに正午過ぎ、2人とも朝から何も食べていない。やがて危険なドライブからkhar&ダーリン(最近は「るるるん」ってハンドルで出没してるらしい)が無事到着。kharは泣くほどは美しくないが、足が長くて「スリム型の美形(C)1997 健さん」だった。でも豹柄のコートを来ているあたりがいけいけねーちゃんっぽい。一方ダーリンはおっとりしている優しそうな人で、尻に敷かれているであろう事が一目で想像出来る。次に「のまりえ」、「山崎さん」が登場。彼女達はごく普通という印象。そしてついに、私が最も恐れていた瞬間がやってきた。「魔性の男 健さん」が登場したのだ。しかし、手にはマレーシア土産を携え、中肉中背で、野暮ったい服装で現れた彼を見て安心した。なーんだ、普通の37歳のサラリーマンじゃないか。今まで「健さんの魔の手から、はらまきをしっかりと守ってくれ」というメールを複数の人からもらい、「腕力以外の面では全力でお守りする」という返事を出して、「魔性の男」の名付け親としての責任感も感じつつ、この日に臨んだ自分は一体なんだったのだろう、どっと力が抜け、一層の空腹感が襲って来た。さあ、お好み焼きだ。
駅ビル4Fのお好み焼き屋「麗ちゃん」は狭い。立ち食い蕎麦屋に毛が生えた程度の規模の、気さくな店だ。待っている間にメニューを決めるが、「そば」「うどん」の選択肢が有るのに驚き、なんだこれ、お好み焼き食いに来たんだぞ、と思ってしまう。ソースもまた違ってその名も「カープソース」というのだそうだ。私はオタフクソース(KLでも売ってるよ、by健さん)しか知らなかった。初めての広島風お好み焼きは、半円形をしていて、まさに巨大な「そば入りオムレツ」。皮は薄く、中にはそば(焼きそばの麺か?)やキャベツを主体とした具がたっぷり。隣を見るとkhar達はソースを「これでもか」と、たっぷりかけているので、私もそれを真似する。我が家ではお好み焼きには醤油をかけるし、味も形も私の頭の中にある「お好み焼き」とは、全く別のカテゴリーに属する食品である。薄くてそれでいてコシのある皮と、あんまり甘くないソースと、ちょうどよい硬さ加減の麺が織り成すハーモニーはまさに「魔性の味」だなあ、と感動に浸っている間に、はらまきや健さん達は食べおわって店の外に出ていた。ちなみに「広島じゃけん」生ビールは、ソースに負けてしまって味がよくわからなかった。でもお好み焼きは、めちゃくちゃでかくて食べきれなかった。あまりの美味しさに「包んでくれ」という言葉が喉まで出かかって、私とkhar一行も店を後にした。
腹がいっぱいになって、JRの駅へ。JalanJalanブルネイ分科会代表のkharが、のまりえ達にブルネイ勧誘活動を始めるので、「おおブルネイ、あなーたの、おうちはどこ?」と歌おうと思ったが、恥ずかしいのでやめといた。ここで「山崎さん」が帰り、残りのメンバーで宮島へ向かう。したがって、「こまちゃん」「ふかやまちん」「山崎さん」は魔性の男の淫靡な触手の攻撃(大うそ)に悩まされずに済んだのだ。
京浜急行の半分くらいのスピードしか出なく、さほど揺れない、田舎臭くも快適な電車に乗って、30分弱で宮島口に到着。船着き場へは車道を挟んで地下道を通って行くようになっているが、なんと車椅子対応エレベーター完備。車道を渡るためだけの地下道にすべてエレベーターをつけるなんて、東京や神奈川ではまずあり得ない。話によればこれは「宮島ボート」の収益金で作ったらしく、これに「のまりえ様」がかなり貢献しているとか、いないとか・・・。
やかましい一行(自分が一番うるさい)の熱気で、船旅は外のデッキといえども、全く寒さは感じず、宮島に上陸。江ノ島くらいのものを連想していたが、たくさん人も住んでいるかなり大きな島だ。たぶん江ノ島とシンガポールの中間くらいの大きさなんだろう(笑)。厳島神社へは、両脇におみやげ屋が並ぶ参道を通っていく、この雰囲気がたまらない。それに、厳島神社も含めて、30cm位の段差にもスロープが完備、車椅子用トイレもかなり数が多く、本当に宮島の障害者対応の設備は
欧米並だと感じた。ありがとう、のまりえ(!?)。
原爆ドームとならんで世界遺産に指定された厳島神社は、朱塗りの回廊が迷路のようになっていて素晴らしいものだった。大鳥居も絵はがきと同じである(あたり前だ)。初詣をしていなかったので、賽銭「15円」を出して拝み、その後おみくじを引くと、「平」、なんだ、こんなの初めて見た。ちなみに、「旅行悪し、待ち人来たらず」ん?
その後健さんが腰に手を当てて「オロナミンC」(リアルゴールドではない)を飲み、私は鹿にもてる。鹿に上着をかじられ、キスされたりと、お互いの目の高さが同じためか、もててもてて仕方がなかった。いまだに宮島の雌鹿達の間では、健さんではなく私が「魔性の男」として語り継がれていることだろう。でも2/14に鹿からチョコレートは届かなかった、期待していたのに・・・。
その後はいよいよお土産屋めぐり。私が家族にしゃもじ、健さんは手間キスし、もとい、手巻き寿司セットを購入。寿司を手巻きにした後は、スッチーも手巻きにしてしまうに違いない、さすがだ、と一同感心する。
いよいよ名物「焼き牡蠣」を食べる。2個で400円とかなり高いが、外でわいわいと食べることもあって味は最高。私とKL在住のため、半生の牡蠣には縁がない健さんと、幸せについて語り合い、「うーこの味、飲み込みたくない〜」等と往生際悪くビールを飲んだり、私は会社へのお土産に「ぷよまん」を買ったりしながら帰途につく。船が出発したとき、かの健さんがスッチーへのお土産にする「各種もみじ饅頭」を置き忘れて、一人外に出てブルーになっていたが、「もみじ饅頭のような小道具に頼るなんて、魔性の男もまだまだ甘いな」と、冷たい視線を投げかける、ほろ酔い加減のにょろろんであった。
広島駅にたどり着き、健さんは別れを惜しむ間もなくダッシュで新幹線へ、我々は山陽本線の線路を渡って、謎の業務用の通路を経由してグランビアホテルへ戻った。そして、荷物とはらまきに預けていた全財産を受け取り、本当に名残り惜しいけどいよいよお別れ、と言うことで私はみんなに盛大なお見送りを受け、ひとり空港行きのバスに乗り込む。今度は係員の対応は良くはなかったが、もうさほど気にもならずに到着。なんと、隣の席に座っていた親切な家族連れの方(飛行機に乗るのではなくて、空港の近所に住んでいるらしい)が空港カウンターまで付き添ってくれて、いよいよ東京へ。しこたま買い込んだお土産をどうしようか困ってしまったが、なんと全部まとめて、でっかいゴミ袋のようなものに入れてくれて、預け入れにしてもらい、私はかばん一つで身軽になることが出来た。
もう空港内のお土産屋も閉店していて、人もまばらである。広島空港発のまさに最終便の東京行きは、定刻通り20:50に出発。ああ、初対面なのにこんなに打ち解けてしまうとは、この怪しげな一団のもつ魅力はなんなのだろう、とはしゃぎ過ぎた疲れにまどろんでいるうちに、機は強い追い風に乗って京浜急行の10倍の時速1200kmで東京に近づき、夢のような2日間が幕を閉じた。
(おわり)
ああ、私の広島。
by Kahr
ああ、私の広島。
その日は、とても快晴だった。神戸から高速で約3時間。私は助手席でダーリンの毎時150kmのドライブに心臓をバクバクさせながらかの地、広島へ向かった。前夜のチャットで突然、訪広島を決定したが、チャット歴一ヶ月足らずの私がこんな会合(?)に参加していいのか?と、車の中で考えながらも、どんな人間が来るんだ?と期待に胸をふくらませていた。もっとも、一番わけが解っていなかったのはダーリンだけど・・・
広島着は午後12時過ぎ。車を駐車場に入れるように、とのはらまきの指示のもと、車を駐車場へ入れ、待ちあわせたホテルのロビーへ向かう。そして、そこには何やら怪しげな集団がいた。少しの緊張と、人見知りと、喜びといった、たくさんの気持ちがミックスされたような変な感情で、声をかけた。はらまきは韓国土産の海苔と竹塩石鹸をくれ、もっと美しくなるように、と言った。
にょろろんは、もう既に美しい私を見て泣いた。(うそ)
さあ、お昼ご飯に出発だ。
昼ご飯は約束どおりに「広島焼き」。ついこの2週間前に東京でもんじゃを食べ、今日は広島焼き、と最近お好み焼き系にはまってる、と感心しながら広島ベストテンにはいる「麗ちゃん」へ。とにかく値段が安い!私は「いか、豚、玉子、そば」を食べたけど、食べきれなくて700円!(750だっけ?忘れた)しかも美味い!クレープのような薄皮と、まったりとしたカープソース。う〜ん、もんじゃも衝撃的だったけど、やっぱりコレよね。このボリューム。しかし、食べきれなくてダーリンに処理してもらう。にょろも挫折。しかし、広島の3人のお姉さん方とマレーシアの魔性の男健さんは一瞬でクリア。どうなってんだ。この人たちの腹は?
お腹もいっぱいになったところで電車に乗って安芸の宮島へ。広島から電車とフェリーで560円。電車の中では何を喋ったのだろう。べらべらべらべらと初対面のくせによくそんなに話すことがあるなというくらい喋り続ける。東京では京急(だっけ?)とJRがレースをするとか、のまりえさんが大変なギャンブラーだとか、健さんは魔性の男だとか(笑)そんなこんなであっという間に宮島へ。沢山のシカと人間の間を縫うように歩いて、厳島神社へ向かう。その間も健さんは通りをJalan
Jalanする。紅葉饅頭のかけらをつまみ食いし、店先のおばさんに声をかける。
う〜ん、外国人。
残念ながら干潮時だったので鳥居と神社は干潟の中にたっていた。鳥居周辺では巨大なあさりが採れるらしいとの情報に、あさりの酒蒸しはうまい、という話になる。でも、あさりを採ってると門番のおやじが怒るらしい。神社の回廊をまわり、お参りをする。みんなおみくじをひく。健さんは凶。同情すべきなのか、どうなのか。でも笑ってしまう。しかも外国に住む者は良くないらしい。平舞台と能舞台を見た後、宮島ドーム(笑)を左手に見、一行は休憩場へ。喉が渇いたと、手を腰に当てリアルゴールドをのむ健さんをみて、みなが笑う。しかも、その姿がはまってるのがもっとおかしい。そして、にょろはシカに狙われる。
(神社に入る前に撮ったシカと見詰め合うにょろの写真を参照)
宮島のシカは攻撃的でコワイ。すこし涼しくなってきたので、土産物屋をひやかして帰路に就く。土産物屋で健さんはスッチー口説きようのための道具を仕入れる。「私の家で手巻き寿司を食べませんか?」という戦略らしい。そのあと、升を仕入れる。(「うまい日本酒を升で飲まないか?」という作戦?)にょろは家族のためにしゃもじをゲット。白いしゃもじに「にょろろん」って文字を入れてもらえば?という意見は一瞬で却下。「商売繁盛」を購入。ちなみにはらまきはどうしても健さんにしゃもじを贈りたかったようだ。(ファイト一発とか、愛とか、安産とか、根性など)
そして、本日の第二のメインイベント「焼牡蛎」!道端で2個400円の焼牡蛎をビールと一緒につまむ。もうこの牡蛎がウマイウマイ。プリンとした身に、すこし塩味とレモンの味がする汁。もっとたべた〜い。と言わずにはいられないほど激うま。やっぱり牡蛎は広島ですね。
ということで、今度は牡蛎パーティを開催する運びになりました。(いつでしょう?)
その後は、ぷよ饅ともみ饅の店を覗いて、それぞれお土産をゲット。かめ福という高級旅館の前で「こういうところには和服の似合う女性と・・・」などという健さん。どうもめどがありそう!?しかし、フェリーの中でお土産の紅葉饅頭をどこかに忘れたのも健さん。しょぼくれながらデッキに立ち、FMを聴く姿はまさに「魅惑の男」。やましいことを考えた罰が当たったのかなあ。
広島駅につき、時間はそろそろ解散タイム。着くや否や健さんは博多行きの新幹線目指してダッシュ。間に合ったのかなあ。新幹線すぐ来たけど。健さんを除く一行は、線路を渡り、駅の通用口からホテルへ向かう。線路を渡るのはみんな初体験。「新快速来たら死ぬよな」といいながら、それでも嬉しそうに線路を渡る。基本的には嬉しがりなのね、みんな。
ホテルについて、にょろの荷物を受け取り、ソファーで一息。結婚式の集団が目立つ中、この一行はなんなんだ?というような私たち。くつろいだ後は、にょろろんを見送り、私とダーリンもまた、はらまきとのまりえに別れとお礼を告げて、神戸へと向かった。
楽しかった。また、今度は場所を変えてオフ会をしましょう!絶対行くよ。
魔性の男(広島編)
by 健さん
2月5日(水)
17:20やった、仕事が終わった。さあ日本へ帰るぞ。え〜っと、一応スーツでしょ、それに人事の女の子にランの花、不法持ち込みのマンゴスチン、はらまきに頼まれたマギーミーにドリアンキャンデー、よし、タクシーを呼んでいざ空港へ。『あっ、Jun&Masさんだ』チェックインをしながら、頭を下げるがどうも気付いていない。なんか業界っぽい人のお見送りのようだ。帰りの飛行機ではスッチーには手を出さないのが原則。バーボンをダブルで2杯飲んで熟睡。
2月6日(木)
朝6:30成田着。お〜寒ぅ〜。早速、登山用のあまがっぱを取り出す。コートだとかさばるので、スーツの上にこれが最適。マフラーはバーバリーでなんとちぐはぐなことか・・・。日本は平日なので、ランの大きな箱と荷物を持ったオジサンは大きな迷惑。しばし考慮の上羽田行きのリムジンに乗る。高速はやっぱり渋滞。でも羽田に9:00頃には着き、大きな荷物とランの1箱はコインロッカーに預けて、大学時代の友人に連絡。今晩19:00渋谷の東横線改札で待ち合わせ。ランの
花とマンゴスチン、ドリアンキャンディー、それにちょっとしたみやげを下げて本社に顔を出す。海外人事で住宅債券の書類にはんこをもらってすぐ退社。(帰った後で、『何、あいつが来ていた。さがせ、話がある』と取締役の人事部長が捜していたらしいが、30分もいませんでした)
自由が丘で吉野屋の牛丼を食べ(何故か食べたくなってしまう)、パチンンコ屋に入る。幸運にも連チャンして2万円くらい浮く。ちょっと自由が丘と渋谷をぶらぶらして最近のトレンドなんかを目で確かめる。よし、そろそろ待ち合わせの場所へ。高校、大学とつきあっている仲間が3人それに友達の会社の女の子が一人。あわせて5人でビヤホールへ。いつもの話題で盛り上がり、女の子を帰して、幡ヶ谷の昔友達とよく行ったお店へ。結局12時を過ぎてしまい、港南台の兄の家には泊まらず、吉祥寺の友達の家に泊まる。奥さんは中国人、以前に比べるとすごく日本語もうまくなっている。
2月7日(金)
吉祥寺から渋谷へ出て羽田へ向かう。いつも世話になっている薬剤師の子に電話して『ランの花みやげに買ってきたぞ。薬局まで持っていくか』『ごめん、自転車通勤してるので、車のトランクを空けておくから入れておいて』とのこと。時間があったので、散髪をしてヒロタのシュークリームを買う。機内でスッチーが、この袋をちらちら見ていた。『そういえば、昔スッチーはヒロタのシュークリームが好きだと言っていたのを聞いたことがあるな』などと思いながら福岡へ。地下鉄で西新へ行き、彼女のマンションまで行って、花をトランクへ。ついでにシュークリームも一箱置いてきた。
空港へ戻り、高速バスで人口1,500人のわが故郷へ。家に帰り着くと母が『明日やなかったとね。何もなかよ。』との温かいお言葉。でも、おふくろの味の煮付けや漬物で満足。ゆっくり風呂に入り、座敷で布団に寝る。『やっぱり自分の家のタタミが一番』
2月8日(土)
朝7時頃から裏山へ散歩に出る。林道がどんどん伸びている。もともと山好きなのでぐんぐん進んでいったら、いつのまにか隣り村の林道に出ていた。家に帰りついたら10:00『なんばしよったとね』母が心配していた。風呂に入り、汗を流して出かける準備をしてまた福岡へ。おおらかで人間味と自然があふれる大好きな故郷だけど交通の便が悪いのが難点。
夜18:00から大学のある西新の居酒屋でアウトドアのクラブの仲間やOB、後輩と飲み会。懐かしい顔が11人揃った。『みんな、変わらないな〜』。カラオケでは朝の疲れもあり寝込んでしまう。解散の頃起こされて、同期の女の子2人と一緒に長浜の屋台へラーメンを食べにゆく。さすがに替え玉はできなかった。駅前のホテルを予約しておいたので、そこに宿泊。12:30を過ぎていた。主婦のみなさんよくおつきあいしてくれました。
2月9日(日)
今回のメインイベントのひとつ、『Jalan友の会のみんなに広島へ会いに行く』日がきた。はらまきの指示通り博多発10:57のひかりに乗り一路広島へ。そういえば広島に行くのは初めてだよな。どんなとこなんだろ、それにはらまきやにょろってどんな人なんだろ。12:30頃広島着。結構近いな。などと思いながら待ち合わせのホテルへ。え〜っと、どの集団がそれだろうか。う〜ん、恥かしがり屋の私としては簡単に声をかけられない。『あっ、車椅子に乗っている人がいる。きっとあの人がにょろさんだ。』近づいていき、『あの〜、はらきさんのお友達の方でしょうか?』と声をかける。みんな一斉にこちらを向き『はい』。『あっ、マレーシアから来ました高倉です』と言いながらすぐご機嫌取りに『これ、日本の法律を犯して持ち込んだマンゴスチンです。それにドリアンキャンディーとマギーミー。』と言って、土産を渡そうとするがこの時点でも誰がはらまきなのかよくわかっていなかった。最後にkahrとだ〜りんが来て、みんなでお好み焼き屋へ。すごくお腹がすいていたせいもあるが、やっぱり広島のお好み焼きは最高。それに地域限定販売の『広島じゃけん』がまた格別。マレーシアでも雨季限定販売の『アンカーウジャン』(うじゃんというのはマレー語で雨の意味)とか、乾期限定『カールスドライ』なんてのを発売したらどうか、なんてことを考えたが、初めての人に馬鹿にされるといけないので口には出さず。
広島駅から宮島へ。その前にお好み焼きだけ食べて帰った女性がいた。よくわからんがはらまきの友人は範囲が広い。のまりえがずごいギャンブラーでオートレースや競艇に詳しいとのこと。『こら、女のする趣味とちょっと違うだろ』などと思いながらも、オジサンはおとなしくしていた。
宮島には船で行くことは初めて知った。『そうか、宮島というのはちゃんとした島なんだ。松島とはちょっと違うな』東北に6年住んでいたのですぐ日本3大なんとかの松島と比較してしまう。宮島はやたらと鹿が多い。おれはイノシシ年だから、これで蝶々がいれば『イノシカチョウ』だなと花札を思い浮かべながら、はらまき、のまりえ、kahrの3女性を見るが、3人とも夜の蝶には向いていない。『花札はだめだな・・・』。
何かわけのわからんことを言いながらも土産物屋の店先をひやかしながら、宮島神社へ向かう。なんかするたびにkahrが笑いながら視線を送っている。『もしかすると彼女は公安関係の人間かも・・・』緊張しながらも『まっ、いっか』。おみくじを引くと凶。『持ってかえって誰かにこの不運を与えてやる〜!!』と叫ぶがみんなになだめられ、とりあえず神社に結んできた。今年こそはと思っているのに広島まで来てひいたおみくじに『縁談:まとまらず』なんて書いてあるとがっくりしてしまう。どうもにょろは前世が鹿だったようで、すごく鹿に好かれていた。『にょろ、哺乳類という大きな枠の中ですてきな愛を育くめ』。
さあ、焼き牡蠣。これがうまいのなんの。交番の前の石に座って、『ここなら安全だ』などといいながらビールを飲みつつ味わう牡蠣のこのおいしさ。『よく、みんなで集まって焼き牡蠣なんかやるよ』というはらまきとのまりえの言葉に羨ましさがこみ上げてきた。『くそ〜、俺も牡蠣を死ぬほど食べてみたい!!』
いかん、こんなことをやっているうちにもう4時だ。福岡の天神地下街で7:00に待ち合わせだから、広島を5:30には出なければ・・・。心にあせりが生じたためか、せっかくの紅葉まんじゅうをどこかで忘れてしまう。今頃は鹿に食べられてしまっただろうか。少し落胆しながらも船の上で今日一日を振り返ってみる。『う〜ん、広島はおいしい』
宮島の駅で新幹線の時間を確認すると、17:52発のぞみなら19:00に博多に着くそうだ。これなら10分くらいの遅刻ですむなと思ったが駅員さんが、『でもこの電車は17:53広島着だからダメだね、これは』・・・。『あのな、早う、それを言わんかい。乗れん電車の時刻聞いてどないすんじゃ』という言葉が出掛かったが、とりあえず押さえて・・・。次のひかりだと19:30博多着だから、40分も待たないよな。携帯に電話してもつながらないし・・・。広島へ向かう電車の中で話はいろいろと盛り上がっていたが、こっちはちょっとブルー。はらまきがかわいそうに思ったのか紅葉まんじゅうをくれるというが、気持ちだけ頂いた。
だって、あげる相手との待ち合わせに会えないとまんじゅうがかわいそうだもん。
『一寸のまんじゅうにも五分の魂』。
そろそろ広島駅に着く頃、みんなに『ごめん、ダッシュするんでここでお別れです。今日はとても楽しかった。また、やりましょうね』、ドアが開く。みんなの視線に送られながら、新幹線のホームへ。ん、ひかりが一台止まっている。もしかすると・・・。ヤッホー、のぞみが入ってきた。何とのぞみは広島着4分の遅れだったのです。車内でのぞみ指定券を買って、博多に着くなりダッシュしてタクシーに乗り天神へ。いない、どこ行ったんだろ。まさか10分で帰るような奴じゃないよな。うろうろしていると『高倉さん』後ろから声がかかる。『いた〜!!』ということで、宮島のおみくじは当たっていませんでした。Jalanの仲間は利害関係も何もないから、みんな正直におつきあいできるので本当に楽しい。まるで、学生時代のサークルに戻ったみたい。機会があったらまた、顔を出します。みんな次はKLに来て下さいね。
健
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