ゴカイの正しい掘り方

 

日本だと釣りをするのにゴカイを自分で掘る必要は無い。店に行き「おじさん、ゴカイ3杯くれ」というと「何釣るんや?キスは青イソメやで」と高いえさを売りつけられる。

  ここはマレーシア。ゴカイなんて買うものではない。自分で掘るのが原則。ゴカイにも数種類あり日本でいう岩イソメとゴカイの2種類がポピュラーだ。今回のターゲットは日本で1匹数百円もする岩イソメ。もちろん私はビギナーだから地元のガキに弟子入りをした。
  左の写真のように干上がった泥が少し入った海岸をまず見つける。とるのに必要なものはゴカイのえさだけ。やつらのえさは魚の死骸、ゆで卵、鶏の肉等だ。今回は魚を使ってみる。

 

やつらの好む場所は水深1cmぐらいの場所で、そこにまず魚を手で絞り肉片と血を寄せえさとしてばら撒く。そうすると左の写真のようにどこからともなくゴカイが現れる。やつらは頭をちょろっと出すだけで、決して体全部を出してえさをとりに行かない。そこでえさの魚を近づけ、その魚に食いつかせる。やつらは食いつくとえさを離すまいと必死に食らえつく。そんなときにでもやつらは体を数センチ以上出そうとはしない。

  だから左手でえさを与えて右手で出ている首をニュっとつかみゴカイを引き抜くことをする。これがまた難しく、やつらに感ずかれないようにすばやく取り押さえないと逃げられる。
  つまむことができてもそれで終わりにはならない。ゴカイは必死に逃げようとするため土に入っている胴体を太くして人と自分の体で綱引きを挑んでくる。場合によってはつまんだ頭でプツンと切れてしまうことがある。なかなか奥が深い漁である。

  ゴカイの大きさは左の写真の中のスプーンと比較してほしい。これでも胴体の半分であるからしてかなり良質の岩イソメであることが分かる。
  地元のガキは一度つまんだゴカイは必ず尾の先までゲットする。「継続は力なり」というが、ガキどもの日々の鍛錬が思い浮かぶ。後で知ったのだが、がきどもは魚を使わずに鶏の皮を使っていた。鶏の皮はざらざらしており、ゴカイが噛みついたらその皮でゴカイをつかんでしまうと滑らない。生活の知恵である。

さて今回のゴカイ漁だが、15分で取れたゴカイは下の写真を見てもらいたい。日本だとこれで数千円だから得した気分になる。

 


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