マレーシアをはじめ、この界隈の国々で「チキンライス」と言うと2種類ある。日本でお馴染みのケチャップ味で、上に薄焼きタマゴをのせればオムライスに変身する例のやつとは全く違う。単純にチキンとライスが出てくるのだが、そのチキンの調理方法に2種類あるのだ。単純に「チキンライス」と呼ばれているものは、特性のタレをつけながら、飴色に焼きあげたもので、通常店先にポーク、焼き豚(チャーシュー)と(たまにダックも)一緒にぶら下がっており、お好みでミックスしてライスと共に食べる。タレはピリッと辛いチリソースと、煮詰めの甘ダレ。 海南鶏飯(ハイナニーズチキンライス)はゆでた鶏、つまり見た目は白い、棒々鶏(バンバンジー)のように調理されたさっぱり味の鶏に特製のソースを掛けて食べる。この「IPOH CHICKEN」はその海南鶏飯の頂点に立っているお店という事だ。 |
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ちょうどKLと空港のあるスバンの中間でFEDERAL HIGHWAYを横切る、Jalan Gasingという道沿いにあるこの店は、20軒程のレストランを中心とした小ロットの一角にある。そのロットの目の前は大きな駐車スペースとなっているので、車も止めやすい。 |
店先には美味しそうに茹であがった鶏がつるしてある。車を降りてトントンと4、5段のステップを上がると、若い子供顔のお兄ちゃん達がニコニコしながらテーブルに案内してくれる。 | ![]() |
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店先の調理場では、スープの湯気につつまれながら、やはり若い男の子達が、手際良く鶏をさばいている。 | ![]() |
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店の中は食事時を問わず、大体いつも満員状態。週末ともなると、空くのを待つ事もある。でも、回転が早いから大丈夫。 |
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吊るしてある鶏は8割程のゆであがりになっており、オーダーを受けてから一口大に切り、熱いスープを上から掛けて最後の火通しをする。だから、出てくる鶏は柔らかく、肉の旨味が全く逃げていない。出しガラにはなっていないのだ。 | ![]() |
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サイドオーダーとして(頼まなくてもいつも黙ってついてくるが)、つくね団子入りのスープは是非頼もう。「スープ」と言えば、これしかないのですぐにわかる。あっさりしていながらコクがあり、食欲がさらに増す。 | ![]() |
忘れてはならないのが「もやし」。IPOHはもやしの名産地。ここのもやしは取れたてをIPOHから直送している。サッと湯(スープ)通ししたもやしに、鶏と同じタレが掛けられている。太目の茎がシャキシャキしていてこれが実に美味い。もやしがこんなにウメ〜ものだったとはと思わず考え込んでしまう味だ。鶏と共にライスにのせて食べよう。鶏と合うんだコレが。オーダーは「もやし」で通じる。 | ![]() |
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出てくるライスは鶏のスープで炊きあげられていて、見た目やや黄色味を帯びている。ほんのり香りがあっていい。鶏はチリソースとニンニク&生姜のミックスおろしをお好みでつけていただこう。そうそう、鶏の皿にたまっているタレをライスに掛けて食べる事を忘れちゃいけない。 |
麺好きの方には、あっさり鶏スープの「ミースープ」&「クワイティアオスープ」がある。これは麺の違いだけで、ミーはラーメン系、クワイティアオは"きし麺風平うどん"って感じかな。これにさっきのもやしと鶏を入れて食べると美味いんだな、コレが。 | ![]() |
もう一つメニューにあるのが「ジンジャーチキン」。これは鶏を切りおいてタレを掛けた後、その上に生姜のすりおろしと特製の何か(これも教えてくれなかった)を加えたドロッとしたペースト状のものが掛かっている。見た目を悪いが味はいい。人数に合わせて「レギュラータイプ」と併せてオーダーするといいだろう。 |
おまけ!! IPOH CHICKENの並び、セブンイレブンの隣にある「BISTRO 」。これは小さなローカルパブなんだが、酒の他に「オックステールスープ」を出す。これが、コイツが美味〜い!! 知る人ぞ知る逸品だ。内緒だよ、コレ。 |
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