タイトル | : Re: KL日本大使館の職員の対応 | |
投稿日 | : 2009/12/10(Thu) 09:57 | |
投稿者 | : それぞれの立場 | |
ホスト名:60.50.244.75 |
私は欧州で「学生」という立場、現地で就職して働く「ローカル」という立場、そして現在は「駐在員家族」という立場を経験しています。この問題は根が深いと感じます。
問題となっている女性や大使館を擁護するつもりは全くないのですが、それぞれの立場の思いやそれに対する対処法など、私なりに思うところがあります。
ローカルとして働くというのは色々な意味でバランス感覚、危機管理能力、自己防衛を必要とするパワーのいるものでした。最も難しいのは精神的なバランス感覚、アイデンティティの保持でした。あるときは「日本人なのに」と言われ、あるときは「ローカルだから」と言われ都合のいいように扱われることも多いです。現地人スタッフは日本人相手に困ったときには助けを求めてきます。このような状況をこなしていくことは、時に「本業」そのものよりも力のいることですが、仕事の成果としては扱われず給与にも反映されません。また、駐在員がローカルに対し、犯罪まがいの行為に及ぶことも。でもクビになるので抗議は出来ず、黙って転職するのみです。駐在員奥様の中には「私は●●の者ですけど?」と、ご主人の勤務先名をあげ、だから特別扱いしろとあからさまな態度を取る方もおられました。そして大使館はローカルに対しては「あんたは好きでここに来たんでしょ?」というような見放した態度、のように私は感じました。
自分の身は自分で守るしかない、という自己防衛の思いが他への攻撃的な態度に変わり、異国にいても日本スタイルを崩さない駐在員とその家族に対し、どんどん現地に対応していく自分、その地で暮らしていく限りは必要なことです。が、アイデンティティの問題で苦しみました。このままでは本当に醜い人間になってしまうと気づき、帰国を決めましたが、その決心もまた勇気が必要です。自分で掲げた目標というか、志を断念してしまうという敗北感に苛まれるからです。そのため、帰国も出来ず中途半端な「自分」のまま滞在を続ける人も少なくはありません。
反面、私に帰国の勇気を与えてくれたのは、分け隔てない対応、いつも「仲間」として楽しくお付き合いしてくださった私のボス始め、駐在員とその家族の方々でした。「日本人っていいな」と気づかせてくれたからです。彼らのおかげで今の自分があると、感謝の念でいっぱいです。
きっとその女性もいろいろなことを経験され、精神的なバランスを崩されたのだと思います。経験上、その女性に対しては「抗議」は逆効果だと感じます。攻撃の応酬にしかならないからです。ひどい言動を取る人は、何かしら心の病を抱えています。こちらが一呼吸ついて、大きな気持ちを持つことで、相手も気づくときが来るでしょうし、自分の傷も小さくて済むと思います。
大使館に対しては「お世話になるから言えない」というのはどうでしょう。個人攻撃ではなく、組織に対しては言うべきことは言うべきでは?
長々とすみません、せまい日本人社会で攻撃の応酬や反目は悲しいと思い投稿いたしました。